2026年4月24日株式会社TryHard Japanが泉南市議会議員・添田詩織氏、泉南市を被告とした
損害賠償訴訟判決言い渡し後に弁護団が声明文を発表
【令和6年(ワ)第975号】
(以下、本件判決に関する弁護団の声明文を記載いたします。)
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2026年4月24日、大阪地方裁判所第9民事部(世森亮次裁判長)は、泉南市議会議員である添田詩織氏の株式会社TryHard Japanに対する発言の一部を認め、添田詩織氏に対し、88万円の支払いに加え、
一部動画の削除を求める一部勝訴判決を言い渡した。
本訴訟の特質と意義
本訴訟は、添田氏による差別的名誉毀損表現について、不法行為責任を問うものである。しかし、
本件は通常の同種事件と異なり、以下の点で重大な特質を有している。
・政治家である市議会議員から一民間企業に対してなされた攻撃であること。
・市議会議員による攻撃が、主にSNSを通じて行われ、一定の政治的思想を有する集団を味方に
するような市民への扇動を伴うものであること。
・攻撃の内容が、民族的属性に着目してなされた人種差別表現であること。
昨今、ある政治家がSNSによって、伝聞情報に基づき、ネット上で県会議員を誹謗中傷し、同議員の住所などの個人情報をSNSに公開するなどした結果、同議員を自死に追い込む事件が起きた。政治家だから市民の知る権利に応えるという大義名分があれば全てが許されるものではない。本件は、政治家によるSNSによる一法人に対する名誉権、差別をされない権利といった人格権侵害が問題となっており、政治家のSNS利用による人権侵害行為に歯止めをかけるという意味でも意義がある訴訟である。
さらに、昨今、日本人ファーストを唱えて、フェイク情報の拡散によるなどして排外主義を煽る風潮が、今の社会には存在する。本件において、添田詩織氏が代表者の出自を問題にし、中国系企業とレッテルを貼り、国家情報法の適用により、あたかも株式会社TryHard Japanがスパイ活動をする恐れが
あるかのような人種差別的言動等によって、受け手の恐怖心や不安感を煽って、狙い撃ちし地域社会から排除しようとすることは、差別的扇動に他ならない。また、個人のみならず法人に対しても差別されない権利を認めることで、社会における法人の経済活動を支え、そこで働く従業員を保護する側面も
ある。その意味でも、本件訴訟は、現在の日本に蔓延する排外主義的風潮の中で、外国人・企業に
対する差別を許さないという意味で、大きな社会的意義を有している。
判決の評価と今後の決意
今回の判決は、添田氏による差別的名誉毀損行為を訴えてきた株式会社TryHard Japanの名誉毀損の主張については、重要な点についての社会的評価の低下を認めて、うち4つについて違法性を認めた点は、評価に値する。また、一部ではあるが、動画そのものの削除を認めた点も画期的な判決である。
一方で、本判決は、添田氏が理由付けとして挙げた「公金支出の妥当性」を持ち出すなどして、添田氏の発言が差別的なものではなかったと評価している。しかし、添田氏が「公金支出の妥当性」を議論するのに、なぜ「中国企業」など中国との繋がりをわざわざ持ち出してきたのか、その差別的目的や差別的効果について全く判断することなく、差別的言動でないと判示し、当方の主張を否定している点は非常に不当である。この判決によれば「公金」とさえ言えば如何なる差別的言動でも免罪されるということになりかねない。
また、その判断手法も、添田氏の発言を個別に切り離して評価しているにすぎず、一連の言動から立ち現れてくる差別的目的や差別的効果を検討していない。
さらに、人種差別撤廃条約についての検討すらしておらず、国際人権法の重要性についての理解を欠く内容となっている。
総じて事案の本質を見誤った不当な判決である。
私たち弁護団は、株式会社TryHard Japanの完全な権利回復が実現するまで、断固として闘い抜く決意である。
株式会社TryHard Japan 弁護団長 弁護士 田中 俊

2024年4月24日 大阪地方裁判所前にて撮影(原告と弁護団先生方)
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