非道な暴力に終止符を-ユニセフ、WHOが声明

※本信は、ユニセフ本部の発信情報を元に、日本ユニセフ協会が翻訳、編集しています。
※本信の原文は、http://www.unicef.org/media/media_91360.htmlでご覧いただけます。
【2016年6月2日 アンマン(ヨルダン)/カイロ(エジプト)発】
ユニセフ(国連児童基金)の中東・北アフリカ地域事務所代表ピーター・サラマとWHO(世界保健機関)東地中海地域事務所代表アラ・アルワン氏は、危機的な状況にあるシリア国内の保健・医療に関し、共同で声明を発表しました。
* * *
シリア国内のいたるところで激化する戦闘や暴力により、私たちは100万人を超える子どもたちに予防接種や命を守る機会を提供できない恐れがあります。
例えば、イドリブで保健・医療施設や関係者への攻撃が急増したことによって、保健員や市民の安全に懸念が生じたため、現地での予防接種キャンペーンは一時中断されました。

5月31日には、WHOや国連機関が支援する救急センターが攻撃を受けました。その結果、2台の救急車が破壊され、隣接するアル・ワタ二イ病院は緊急治療室を除き閉鎖を余儀なくされました。たった一日で、子どもを含む50人以上の市民が命を落とし、250人が負傷したと報告されています。
同じようなことはシリアの他の地域でも報告されており、予防接種キャンペーンの実施を脅かしています。6月1日、ユニセフが支援するアレッポの診療所が攻撃に遭い、40人以上が負傷しました。そのうち一人の妊婦は、赤ちゃんを亡くしました。今週初めにも、アレッポ近郊の町ハリタンの病院が損傷しました。また5月23日には、ラタキアのジャブレ国立病院が爆撃され、患者や付き添いの家族40人以上、医師1人、看護師2人が命を落としました。
今年に入ってから、シリア全土で17の保健・医療施設が攻撃されたと報告されています。いま、シリアで機能している病院は、全体の3分の1にすぎません。

WHOとユニセフは、予防接種キャンペーンを安全に再開できるよう、紛争に関わるすべての当事者に対し、シリア内で続く暴力に終止符を打つよう呼びかけています。
保健・医療施設への攻撃は、回数、規模ともに拡大しています。こうした攻撃は、国際人道法を甚だしく侵害する行為です。保健・医療従事者、患者、施設は守られなければなりません。そして人々は、緊急に保健・医療サービスが必要なとき、制限なくそのサービスを受けることができなければなりません。
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(http://www.unicef.org/)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (http://www.unicef.or.jp/)