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日本出版販売株式会社

RFタグ活用による売上最大化と店舗運営省力化の両立を実証

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~双方を同時に実現する再現性のある売場オペレーションの構築を確認~

 日本出版販売株式会社(代表取締役社長:富樫 建、以下:日販)と株式会社 PubteX(代表取締役社長:渡辺 順、以下:PubteX)は、持続可能な書店運営に寄与すべく、RFタグ活用による売上最大化と店舗運営省力化の両立の実現性を検証する実証実験を実施しました。
 その結果、双方を同時に実現し、かつ、再現性のある売場オペレーション(補充および陳列のオペレーション)を構築することができましたので、その内容と成果についてお知らせします。

■実証実験の背景
 RFタグ(※1)は、「いつ」「何が」「いくつ」「どこで」など精緻な売上や在庫データに基づいて商品を1冊単位で管理することができるため、書店運営のDX化を進める技術として注目されています。
 PubteXのRFタグは現在(2026年2月18日時点)、出版社13社の新刊コミックや新刊文庫に装着されており、書店でのロスの削減をはじめ、売場別管理や分析の用途で普及が進んでいます。一方で日販もこれまでに、持続可能な出版流通の実現に向けて、業界各社とともに出版DX化や改革を進めてきました。
 この度、日販とPubteXは、RFタグをさらに効果的に活用し、出版業界全体へ還元できる具体的な価値を見出すため、RFタグの「売上」や「運用」に対する効果の実証を目的とした実験を行いました。実証実験は、日販が運営する「あゆみBOOKS杉並店 supported by ほんたす(以下、あゆみ杉並店)」を検証拠点とし、PubteXが提供するRFタグと書籍トレーサビリティシステム「BOOKTRAIL」(※2)から得られる売場別在庫および販売データを活用しています。

※1 RFID(電波を利用して情報を非接触で読み書きする自動認識技術)を利用してモノの情報を読み取る小さなICチップ付きのタグ。書籍に装着することで個体識別を可能にする。
※2 RFタグの活用により、出版物の流通状態をリアルタイムで把握することを可能とする、PubteXが開発したシステム。

■実証実験の概要
・実施期間  :2025年8月4日から2026年1月31日まで(約6か月間)
・実施店舗  :あゆみBOOKS杉並店supported byほんたす
・実験対象商品:RFタグが装着された新刊コミック
・検証対象  :店内在庫コミックすべての売上
・検証内容  :RFタグを活用した売場オペレーションの改善による、
        売上最大化と店舗運営省力化の両立の検証

■実証実験の内容
<仮説の設定>
 あゆみ杉並店のコミック売場における従来のオペレーションでは、新刊コミックは、発売直後は新刊売場に陳列され、その後、販売状況や経過日数に応じてカタログ(棚差し)やコミック棚前平台へと移動します。
 したがって、新刊売場に陳列されている段階におけるオペレーションを最適化することで、新刊時期(※3)が終わり既刊になった後も売場構成や売上に影響を及ぼすと仮定し、2つの仮説を設定しました。

※3 本実証実験での定義は、新刊:発売日から60日以内の銘柄/ 既刊:発売日から61日以降の銘柄

▲あゆみ杉並店の店内売場イメージ

仮説1:RFタグを活用した陳列オペレーションの変更により、新刊コミックの売上は向上する
仮説2:RFタグを活用した陳列オペレーションの変更は、既刊を含むコミック全体の売上向上につながる
 
 仮説の検証にあたっては、売上の増減のみならず、店舗運営の省力化および「誰でも使える(従業員再現性)」、「どの店舗でも使える(店舗再現性)」という再現性の観点からも評価をしています。

<検証方法>
 実証実験期間の前半(2025年8月4日~10月31日、以下:期間1)は、あゆみ杉並店での従来の陳列オペレーションによる運用を行い、後半(2025年11月1日~2026年1月31日、以下:期間2)は期間1で得たデータをもとに分析し、コミック売場全体(上記店内売場イメージのグレー箇所)の陳列オペレーションを変更しています。

- 新刊コミックの多面展開入口付近の一等地であるコミック新刊1.に加え、入荷冊数次第でコミック新刊2.にも陳列した。さらに、発売からの経過日数に応じてコミック新刊2.へ商品を移動し、多面展開する運用に変更した。

- カタログ在庫の1冊差しの徹底入荷日から常に、カタログに最低1冊在庫している状態を保った。BOOKTRAILのデータを用いて開発した「コミックカタログ補充ツール(※4)」を活用することで、複数の売場に在庫が点在する商品でも、いつ・どの売場から売れたのかを売場単位で把握し、リアルタイムで欠品を補充する運用に変更した。

- 平台の入れ替え基準の明確化 (1)の変更に伴い、新刊コミックも平台で展開することとなり、従来以上の頻繁で平台の商品を入れ替える必要が生じたため、発売開始日からの経過日数と直近の売上実績に従い、適切な入れ替えを実施した。BOOKTRAILのデータをもとに開発した「コミック平台入替ツール(※5)」を活用し、当該売場での陳列日数や直近4週間および2週間の売上冊数を一覧化することで、売上実績に基づいて継続陳列すべき商品と入れ替え対象商品を判断できる体制に変更した。

※4 売場別の当該商品の在庫冊数と販売冊数のデータから、指定の冊数以下になった売場と在庫がある売場を表示するツール。カタログから売れて在庫が0冊になった商品の把握や、商品を移すべき売場・ストッカーの確認に用いる。
※5 平台に陳列された商品の経過日数および平台での直近2週間、4週間の売上冊数を表示するツール。経過日数と直近売上から入れ替えが推奨される商品の把握に用いる。

<仮説に対する結果>
●仮説1:RFタグを活用した陳列オペレーションの変更により、新刊コミックの売上は向上する
★結果:1か月あたりの売上が約15%増加
 期間1と期間2で、新刊コミック(売上上位10商品を除く※6)の売上を比較すると、1か月あたり平均約15%売上が増加しました。また、発売後1か月以上が経過した商品も継続的に売れることが確認されています。

※6 新刊コミックの売上は、話題作の新刊の発売による影響値が大きいため、売上上位10商品を除外した新刊コミックの売上を分析。

●仮説2:RFタグを活用した陳列オペレーションの変更は、既刊を含むコミック全体の売上向上につながる 
★結果:売上前年比の全国平均値を9.0pt上回る
 新刊・既刊含めコミック全体の売上を前年実績と比較したところ、期間2では、全国のコミック売上前年比90.5%に比べ、あゆみ杉並店は99.5%と、全国平均値よりも9.0pt高い売上を確保しました。新刊コミックのオペレーション変更が既刊コミックの売上を毀損することなくコミック売場全体の最適化につながり、全国と比して売上を確保できていると考えられます。

●検証:店舗運営の省力化・再現性の観点
★結果:ワンオペ体制の店舗でも日常オペレーションとして構築可能
 売場単位での在庫・売上・陳列日数が、BOOKTRAILのデータの活用によりリアルタイムで一元的に可視化されることで作業時間の短縮につながり、日中は従業員1名のいわゆる“ワンオペ体制”のあゆみ杉並店でも、日常業務として売場オペレーションに組み込むことができました。
 また、「カタログ補充ツール」や「コミック平台入替ツール」は、BOOKTRAILのデータをもとに動作するので、売場担当者の属人的な判断基準や複数データを基にして相応な時間を要して行っていた補充や陳列、入れ替えといった日常業務が、定量的かつ再現性のある業務へDX化できることが示され、「誰でも使える(従業員再現性)」、「どの店舗でも使える(店舗再現性)」も実現できることが検証されました。

 本実証実験についての結果報告書は、下記よりご覧ください。
 あゆみBOOKS杉並店におけるPubteX実証実験 結果報告書
 ※出典を明示した引用を除き、結果報告書の無断複製・転載・配布、ならびに内容の改変を禁じます。

■今後の展望
 日販とPubteXは、今般の共同実証実験で検証した結果を経て、今後も出版業界のDX化を推し進めるRFタグの効果的な活用方法を見出していくための協力を図っていきます。出版社各社と連携しながらタグ貼付の拡大を進め、より幅広い商品でRFIDデータを活用できる環境の整備を目指します。
 あわせて、現場オペレーションに根差した機能拡充・改善を進めることで、日常業務に定着する使いやすい仕組みへと発展させ、RFIDを活用した売場最適化と出版流通全体の効率化に貢献していきます。 
 また、RFタグの活用だけにとどまらず、かねてより業界全体の懸念であるサプライチェーンに関する諸課題の解決に向けても協力し、持続可能な出版流通を実現していきます。

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