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株式会社帝国データバンク

「売るコメない」一転 米屋の廃業、3年ぶりに減少 2025年度は8割が「増益」、過去最高 好業績の裏で「逆ザヤ」リスク拡大

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「米穀店(米屋)」の休廃業・解散動向(2025年度)

株式会社帝国データバンクは「米屋(コメ卸・小売業)」における休廃業解散の発生状況について調査・分析を行った。

SUMMARY
2025年度に発生した「米屋」の休廃業・解散件数は75件となり、3年ぶりに減少した。コメ価格の高止まりで在庫米に予期しない「利益」が発生し、多くの米屋が黒字経営となったことも影響したとみられる。ただ、こうした好業績は一時的な利益が押し上げた影響に過ぎず、今後の「コメ市況下落」による逆ザヤリスクが表面化する可能性が高い。

[注]
「米屋」:TDB業種細分類における「米麦卸売業」と「米穀類小売業」が対象
集計対象:休廃業・解散とは、倒産(法的整理)を除き、特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態を確認(休廃業)、もしくは商業登記等で解散(ただし「みなし解散」を除く)を確認した企業
集計期間:2000年4月1日~2026年3月31日まで
「売るコメない」一転 米屋の廃業、3年ぶりに減少
「売るコメがない」状況で苦境だった米屋の経営が好転した。2025年度(2025年4月~26年3月)に発生した、コメを専門に卸売や販売を手がける「米屋」の休廃業・解散(以下「廃業」)は、75件発生し、3年ぶりに前年度(82件)から減少した。

米屋の経営を巡っては、猛暑や少雨による不作に加え、地震等に伴う消費者の買いだめ行動など悪材料が重なり、2024年夏以降には「令和のコメ騒動」と呼ばれる深刻な品薄が発生した。その結果、初期段階で十分な販売量を確保できなかった米屋や、高値掴みで採算割れを起こした米屋が早々に休廃業を余儀なくされるケースもみられた。

2024年秋以降に新米の流通で徐々に供給が回復に向かう過程でも、スーパーなどの量販店では販売数量の制限が続いた。その結果「価格を問わず確実にコメを買いたい」消費者や外食業者が、2025年度に入り独自ルートを持つ米屋に多く流入した。流通・小売業態のなかでも、相対的に在庫を保有している米屋では、極端な品薄と価格高騰による影響で、古米のほか、コメ騒動直前に仕入れた在庫米でも販売単価が劇的に上昇し、予期しなかった「利益」を生み出した。ミニマムアクセス米など、国産米に比べて割安な輸入米の販売も好調で、資金繰りに窮していた米屋を存続させる要因となった。

2025年度の米屋における損益状況(純損益ベース)をみると、4月時点で8割の企業が前年度から「増益」となった。過去20年間で最大となったほか、「赤字」は初めて1割を下回り最小となった。営業利益率の平均(上下計10%の刈り込み平均値)でも、2025年度は約240社の平均で約5.0%となった。前年度の1.8%に比べて大幅に改善したほか、一般に標準的といわれる水準まで「稼ぐ力」が回復した。物流費の上昇や賃上げ原資の確保に苦しみ、長期にわたり利益率「0%台」での推移が続いていた米屋にとっては必要な利益水準に届いたといえる。ただ、昨今の価格高騰が生み出した利益増による恩恵が大きく、経営努力による本質的な競争力改善とは言い難い。

足元では、コメ価格の高止まりを嫌気した消費者の「コメ離れ」に加え、令和7年度産米の順調な収穫と市場供給が加わり、コメ不足から一転して「コメ余り」の様相を呈しつつある。こうしたなか、高値で買い集めた在庫がダブつき始めている米屋も散見され、コメ流通の現場では市場価格の正常化で値下げを余儀なくされる「逆ザヤ」リスクが深刻化している。廃業を踏みとどめた空前の価格高騰が終焉を迎えるなかで、2026年度における米屋の廃業は再び増加する懸念が高まっている。

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