フジサンケイグループは、正論大賞の選考委員会を開き、今年の正論大賞および正論新風賞を以下の通りに決めました。正論大賞は、フジサンケイグループの基本理念「自由と民主主義のために闘う正論路線」を発展させた個人に贈られる年間賞です。正論新風賞は、新進気鋭の言論人に贈られます。
第41回正論大賞 笹川平和財団常務理事・麗澤大学特任教授 兼原信克氏(66)
第26回正論新風賞 拓殖大学特任教授・同大学防災教育研究センター長 濱口和久氏(57)
1、受賞理由
兼原信克氏は第2次安倍晋三政権において内閣官房副長官補と国家安全保障局次長の要職を兼務し、戦後の防衛政策の転換点となった平和安全法制の策定において中心的な役割を果たしました。退任後は、世界史に関する大局的な知識と外交官としての長年にわたる豊富な実務経験に裏打ちされた言論を展開しています。安全保障環境が厳しさを増す現代において、国民的な議論を深める役割を果たしており、こうした活動が「正論大賞」に最もふさわしいと評価されました。

兼原信克氏
濱口和久氏は、多岐にわたる実務経験を背景に、実践的な危機管理と安全保障を統合した独自の視点から、国民の安全と国家の防衛に関わる提言を継続的に行っています。地方行政の現場では、自治体における防災・危機管理対応への助言や政策提言など、危機管理の知見を広く社会に還元されてきました。東日本大震災から15年の節目となる2026年を迎えるにあたり、濱口氏の時宜を得た実践的な提言は、国家と国民の安全意識の向上に貢献するものであり、正論新風賞にふさわしいと評価されました。

濱口和久氏
2、贈賞
正論大賞正賞=ブロンズ彫刻「飛翔」(御正進氏制作)
正論新風賞正賞=ブロンズ彫刻「ソナチネ」(小堤良一氏制作)
※令和8(2026)年3月、東京都内のホテルで贈呈式を開催予定
3、受賞者略歴
兼原信克(かねはら・のぶかつ) 1959年1月22日、山口県生まれ。東京大学法学部卒業後、外務省入省。国際法課長、日米安全保障条約課長、国際法局長などを歴任。国外では欧州連合、国際連合、米国、韓国の大使館や政府代表部に勤務。2012年発足の第2次安倍晋三政権で内閣官房副長官補(外政担当)、国家安全保障局次長を経て、2019年10月に退任。2023年6月から笹川平和財団常務理事。2025年4月から麗澤大学特任教授。主な著書に『日本人のための安全保障入門』『歴史の教訓「失敗の本質」と国家戦略』など。2020年12月から本紙「正論」欄の執筆メンバー。
濱口和久(はまぐち・かずひさ) 1968年10月14日、熊本県生まれ。防衛大学校材料物性工学科を卒業。名古屋大学大学院環境学研究科博士後期課程単位取得満期退学。陸上自衛隊勤務、元首相秘書などを経て、2007年9月に栃木市首席政策監に就任。2018年4月から拓殖大学特任教授、2019年4月から同大学防災教育研究センター長。2024年6月から一般財団法人防災教育推進協会理事長も務める。主な著書に『考える防災24 生き抜くための災育のすすめ』『リスク大国 日本 国防/感染症/災害』など。2023年12月から本紙「正論」欄の執筆メンバー。