生物多様性を保全する国際目標「ネイチャーポジティブ」にさらに貢献
株式会社朝日新聞社(代表取締役社長 CEO:角田克)が設立した公益財団法人森林文化協会(小田桐則雄理事長)が、茨城県つくば市とともに維持管理している「つくば万博の森」(つくば市、9・87ヘクタール)が3月17日、2025年度から始まった新たな法制度に基づく「自然共生サイト」として認定されました。里地里山らしい生態系や、希少な動植物の生息などが評価されました。

つくば万博の森
自然共生サイトは生物多様性が民間などの取り組みによって保全されている区域を環境相が認定する制度として2023年度に始まりました。豊かな自然環境を保全、さらに増進しようと国は2025年度から地域生物多様性増進法に基づく制度として自然共生サイトの認定を行っています。つくば万博の森は24年度前期に自然共生サイトに認定されましたが、今回、法制度に基づいて改めて認定されました。
新制度では、新たにつくば万博の森での活動方針などを記した「増進活動実施計画」を提出、審査をへて大臣認定を受けました。申請にあたって、提出した「増進活動実施計画」では、定期的なモニタリング、専門家と連携した生態系調査などを続け、森林を適切に維持・管理することで、生物多様性の増進をめざすことをうたっています。
森林文化協会は今後も、生物多様性の保全と向上、その価値を社会に伝える取り組みを続けていきます。
環境省自然共生サイトページ:
https://policies.env.go.jp/nature/biodiversity/30by30alliance/kyousei/nintei/index.html
つくば万博の森とは
筑波山の南に位置する宝篋山(ほうきょうさん、標高461メートル)の中腹に広がる国有林です。1985年の「つくば万博」開催を機にマツクイムシ被害が広がった国有林に緑を取り戻そうと、朝日新聞社と森林文化協会が植樹募金を呼びかけ、全国約4万2千人から集めた募金をもとにヒノキなど約3万本を松の伐採跡地に植林したのがきっかけで開設しました。2025年に開設40年を迎えたのを機に、朝日新聞社は森の間伐や環境整備などの支援に一層力を入れることを決めています。
関連リンク:朝日新聞社が「つくば万博の森」の支援を決定
森林文化協会のつくば万博の森での取り組み
地球上で生物の絶滅が加速するなか、2030年までに生物多様性の損失を止めて回復に反転させる「ネイチャーポジティブ」や、2030年までに陸と海のそれぞれ30%以上を健全な生態系として保全する「30by30」(サーティ・バイ・サーティ)の理念が、2022年の生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択され、国際目標になっています。
当協会もその理念に賛同し、生物多様性の保全活動を応援する環境省の「30by30アライアンス」に23年度に加盟。つくば万博の森では、鳥類、植物、地上哺乳類の各分野の専門家の協力を得て生態系調査を実施し2024年前期に、環境省の専門家委員会による審査の結果 自然共生サイトに認定されました。つくば万博の森には、以下の価値があると認定されています。
- 里地里山といった二次的な自然環境に特徴的な生態系が存する場
- 生態系サービス(※)提供の場であって、在来種を中心とした多様な動植物種からなる健全な生態系が存する場
- 希少な動植物種が生息生育している場
※生態系サービスとは水や木材供給、災害抑制、観光やレクリエーション、災害抑制など豊かな生態系が提供するサービス全般をいいます。
認定後も動物センサーカメラを使った地上哺乳類の調査や、野鳥撮影など定期的なモニタリングを継続しています。そして、このたび法律に基づく制度が新設されたことから、より豊かな森づくりをめざし、林の中を通る遊歩道の管理者であるつくば市とともに、国有林であるつくば万博の森の所有者・関東森林管理局の同意を得て、法律に基づく自然共生サイトの認定を申請、認定されました。

つくば万博の森で撮影されたアカゲラ
上空を飛ぶノスリ

森内に設置した動物センサーカメラで夜間撮影されたイノシシ(左)、ニホンノウサギ(右)
森林文化協会とは
朝日新聞社が創刊100周年を記念して、1978年に設立した団体で、「山(自然環境)と木(生き物)と人の共生」を基本理念に森を守り、育て、地球環境の保全につながる活動を続けています。専門家による調査活動や年報「森林環境」の発行、情報サイト「グリーン・パワー」の配信、各種シンポジウムやイベントを行っています。2024年度からは、森林・里山と企業を結ぶ「30by30 自然共生の森づくりプロジェクト」も推進しています。
