錦織一清が企画・演出・出演を務め、2026年8月、東京・三越劇場、木更津・かずさアカデミアホールにて上演される舞台『あゝ同期の桜』の記者発表会が2026年5月15日に開催。錦織を始め、主演の中山脩悟、岩永昭洋、石川大樹、片岡滉史朗、伊藤セナ、高野皓平、渡口和志、新井元輝、岡澤由樹が登壇した。

本作は、毎日新聞社発刊の海軍飛行予備学生十四期会による遺稿集『あゝ同期の桜 帰らざる青春手記』を元に、昭和42年に榎本滋民が手掛けた不朽の名作。2015年に榎本滋民の脚本を原作として上田浩寛が新たに書きおろし、錦織一清の演出によって2024年より3年連続の上演を迎え、戦後81年目となる2026年の夏、再び幕を開ける。



錦織や中山らは会見直前、東京都千代田区にある靖国神社を正式参拝。また、毎年5月15日に靖国神社の能楽堂にて開催される「武魂継承祭」にて、舞台『あゝ同期の桜』のひと幕を、奉納演舞としてお披露目した。会見冒頭にも、同シーンを取材陣に向けて披露。若くして散った仲間を誇り高く見送る「同期の桜」を歌い上げた。
会見では、まず錦織一清が「昨年の戦後80周年を挟み、今年で3年連続の公演になります。今年、新しいメンバーで新しい風が入ってきました。戦争がテーマですが、若者たちがイキイキ、キラキラと青春を過ごした爽やかな作品になるよう努力したいと思います」と挨拶。

作品との出会いは十数年前だったという錦織。「まだ親父が生きているころでした。親父は錦織家の三男坊。長男である叔父は海軍で、戦争の話はよく聞いていました。こういった作品を手がけることになったと親父に伝えたら、感慨深い顔をして涙を浮かべたことが印象に残っています」と懐古。去年、自身が還暦を迎えたことにも触れ、「僕の生まれる20年前まで戦争をやっていた。あの時、戦争がそんな近さにあったのかと。親父から伝えられたことを引き継げられる最後の世代になってきた。若い彼らには僕から感じたものを後世に語り継いでいってほしい」と、中山をはじめとするフレッシュな面々に期待を寄せた。

特攻という過酷な運命に立ち向かう第十四期海軍飛行予備学生の諸木文晴役に抜擢された中山は、初舞台で初主演という大役に「まずは歴史ある作品に参加できることが嬉しかったです。同時に不安と作品に対する責任感が押し寄せてきました。役者として経験も浅く、実力が足りないところはありますが、今の自分にしかできないものを舞台上で表現できたら」と目を輝かせた。作品については「戦争が歴史の一部であることはわかっていたけれど、自分ごととして考えたことがなかった。自分たちの世代に伝わってほしい話だと思いました」とコメント。同じ芸能界で活躍する先輩でもあるご両親(中山秀征・白城あやか夫妻)は出演に際し、「ものすごく喜んでくれました。特に母は舞台人ですので「しっかりやりなさい」と。父は「やるからには精一杯頑張って、今できることをやりなさい」とエールをもらったと語った。

昨年に引き続き庄司上等整備兵曹を演じる岩永昭洋は、「長崎出身で幼い頃から平和教育を受け、祖母からも戦争の話を聞き、前回も使命感を持ちながら演じました。娘が戦争について考えるきっかけにもなり、出た意味があった」と感慨深げ。中山についても「奉納演舞での芝居と、会見直前での芝居では、すでに目の色が変わっていた」と評価し、若いキャストを引っ張る精悍さを見せた。
続いて、第十四期海軍飛行予備学生を演じるキャストたちもコメント。
哲学者を目指す中沢役の石川大樹は「同期の仲間と出会い変化していくところを去年よりも大きくしていきたい」、柔道空手の猛者、神崎役の片岡滉史朗は「武道から日本人の誇り、強く生きる学びをいただいて演じたい」、飛行機乗りに憧れる秀才、原役の伊藤セナは「ひたむきに夢を追う純粋な気持ちで青春を過ごしていくところを見どころにしたい」、実家の寺を継ぐ塚本役の高野皓平は「移り変わる死生観をうまく表現したい」、親孝行のクリスチャン、西役の渡口和志は「母を残して飛んでいく者、母への覚悟を見せていけるよう精進します」、水木二等飛行兵層役の新井元輝は「世の中を何も知らないまま隊に加わり、隊で青春を送っていく水木役に全身全霊でアタックします」、上官である岡澤参謀役の岡澤由樹は「かつてこの作品を上演した先輩から受け継いだように、今後も若い世代に「この作品をやりたい」と思っていただけるようにしたい」と、それぞれに目標を語った。
中山は2月に鹿児島県・知覧特攻平和会館を見学。「それまでは若者たちが自ら特攻隊に志願するのか不思議だったが、誰かを守りたいという気持ちがあったのだなと感じました。そして、この世界に今も争いが実際に起きている国があることに心苦しくなった。こういうことが二度とあってはいけないからこそ、若い世代に見てもらう機会にしたい」と舞台にかける思いを真摯に告げた。
中山の印象について、錦織は「最初に会った時から爽やかで、僕とは育ち方が違う」と笑わせながらも「背筋が正しく伸びている。逸材に出会いました」と太鼓判を押した。それを受け中山は「自分の全力を注ぎ、皆さんのお力もお借りしながら、チームでいい作品にしたい」と改めて本作への決意を語った。
会見の終盤には「木更津舞台芸術を楽しむ会」代表である木更津市長・渡辺芳邦氏が登壇。駐屯地がある木更津では、平和に向けてのさまざまな活動が行われており、昨年の夏に本作を観劇した渡辺市長の「地元の子供達にも、この作品の持つエネルギーを感じてもらいたい」という願いから、木更津公演が決定。「命の尊さ、平和を考えていただく機会にしたい」という木更津市長の願いに、一同は改めて表情を引き締めた。


<あらすじ>
学徒動員が全学生に適用され、昭和十九年二月一日に特に優秀なる官立私立の大学生が、第十四期海軍飛行予備学生として、霞ヶ浦の海軍航空隊に配属された。
その中には、官立大学成績主席の諸木、全日本で柔道空手の大会で優勝した神崎、飛行機乗りに憧れる工学部秀才原、実家の寺を継ぐ塚本、哲学者を目指す中沢、親孝行なクリスチャン西、皆夫々に将来に夢見ていた青年がいた。
軍事教練は、通常は四年かけて卒業するところを四ヵ月での速成士官教習で、体力知力共に、日々お国のためにと歯を食いしばって、精神論が強調され、先輩や上官からは、自省しろと鉄拳制裁の毎日。
厳しい訓練を終え、各見習い士官は、方々の基地に配属され、戦局が思わしくない状況で、徐々に前線へと配属されていき、同期の者が次々と命を落としていく。
その中で、昭和二十年春、桜舞い散る季節、鹿児島の最前線基地鹿屋に十四期の士官たちが配属されてきた。つまり、操縦できる人間を最後の決戦に備えてのこと。昨年秋に行われた神風航空隊の活躍は戦死した人間を軍神とあがめられて、集まった面々はその出撃命令がいつ下されるか待機していた。
そんな折、許嫁や母親が訪ねてきたり、地元の女学校の生徒たちが、差し入れを持って来てくれたりと、穏やかな青春の時間を過ごすこともあった。
いよいよ、特攻の日。悠久の大義に生きるべく笑って死地に赴いていく若者たち・・。
震えながら、指導してきた豊島中佐や整備兵曹たちが敬礼したまま見送るのであった。
<公演概要>
あゝ同期の桜
原作:榎本滋民
脚本:上田浩寛
演出:錦織一清
オープニング振付:パパイヤ鈴木
出演:
第十四期海軍飛行予備学生
諸木文晴 … 中山脩悟
中沢一郎 … 石川大樹
塚本春暁 … 高野皓平
神崎武彦 … 片岡滉史朗
西 幸弥 … 渡口和志
原 清明 … 伊藤セナ
岡澤参謀 … 岡澤由樹
水木二等飛行兵曹… 新井元輝
豊島中佐 …渋谷天笑(松竹新喜劇)
庄司上等整備兵曹…岩永洋昭
西まき … 板垣桃子(桟敷童子)
片岡令子 … 中久喜文音
松岡雪枝 … 惣田紗莉渚
老人・上官… 錦織一清
【東京】2026年8月13日(木)~8月17日(月)
場所:三越劇場(〒103-8001 東京都中央区日本橋室町1-4-1 日本橋三越本店 6F)
8月13日(木)14:00開演
8月14日(金)14:00開演/18:00開演
8月15日(土)12:00開演/16:30開演
8月16日(日)12:00開演/16:30開演
8月17日(月)14:00開演
チケット料金(全席指定・税込):1等席 9,800円/2等席 6,000円/3等席 4,000円
【木更津】2026年8月22日(土)
場所:かずさアカデミアホール(〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-3-9)
8月22日(土)12:00開演/16:30開演
木更津公演主催:木更津舞台芸術を楽しむ会
チケット料金(全席指定・税込):特別料金 6,000円
一般発売:2026年6月27日(土)10:00~
公式サイト:https://unclecinnamon.com
お問合せ:株式会社アンクル・シナモンunclecinnamon@ymail.ne.jp

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