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T4IS2026・カルダノ創設者ホスキンソン氏、リモート基調講演--「BIP360 vs BIP361、ビットコイン量子問題に誰一人投票権がない」

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「ビットコインの量子問題、誰にも投票権がない」 / カルダノは三権分立、全ADA保有者が投票権--日本のDRepコミュニティに最も期待

【翻訳に関する注記】 本基調講演は英語で実施。本リリースに掲載するホスキンソン氏の引用は、当日発言の要旨翻訳(一部は逐語訳)。

セッション概要

ソーシャス株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:尹世羅)は、2026年4月26日(日)、東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井カンファレンスにて開催した SusHi Tech Tokyo 2026 公式パートナーイベント・招待制エグゼクティブサミット「Tech for Impact Summit 2026(https://tech4impactsummit.com/ja)」(以下、T4IS2026)の Strategy Dialogue「ビジョンに投資する:カルダノ予算の次なるステージ - hosted by Intersect」冒頭にて、Cardanoブロックチェーンを手がけるInput Output Group(IOG)のCEO兼創設者・チャールズ・ホスキンソン氏が、米ワイオミング州からリモートで基調講演を行いました。

本基調講演は、Intersect(カルダノの分散型ガバナンス組織)がホストする非公開ラウンドテーブルの導入として配信されたものです。基調講演本編(約19分)は、T4IS公式YouTubeチャンネルにて、英語・日本語字幕付きで公開しています。

講演テーマ: ガバナンス、ビットコインの量子コンピュータ問題、カルダノの三権分立、トレジャリーの3本柱、Draper Fund、そして日本のDRepコミュニティへのメッセージ。

講演者

・チャールズ・ホスキンソン 氏 - Input Output Group CEO兼創設者/Cardanoブロックチェーン創設者/Ethereum共同創設者(米ワイオミング州よりリモート登壇)

講演のハイライト

1. 暗号資産は「信頼の仕組み」--分断された世界における平和の発明

ホスキンソン氏は冒頭、暗号資産が技術ではなく「信頼の仕組み」であるという原則から論を起こしました。

「暗号資産とは、互いを信頼していない人々が、互いを信頼できるようにする仕組みである。客観的な現実に立ち返ることを可能にし、手元のお金が健全だと誰もが信頼でき、声が届き、財産が守られ、安全に取引できる--そんな仕組みだ」(ホスキンソン氏、要旨翻訳)

米中の緊張、中東・欧州での戦争、信頼の崩壊する時代において、タイムスタンプ付き・改ざん不可能・監査可能という暗号資産の性質が「全員が同じルールでプレイする安全な場」を作り出すと位置づけ、Midnightに代表されるプライバシー強化技術が、選択的開示・抽象化・複数チェーンをまたぐ相互運用性をもたらすと説明。

「私にとって暗号資産は、世界平和に資する最も深い発明であり、誰にとっても公正な、ひとつのグローバル経済をつくり出すための最も重要な発明だ」(ホスキンソン氏、要旨翻訳)

2. ビットコインの量子コンピュータ問題--「総供給量の3分の1以上が脆弱」

講演の中盤、ホスキンソン氏は仮説ではなく「いま現実に起ころうとしている」事例として、ビットコインが直面する量子コンピュータ問題に焦点を移しました。

ビットコインは時価総額1兆ドル超、世界100ヶ国以上に5億5,000万人の保有者を持ち、16年間ハッキングされたことのない「人類史上最大級の達成のひとつ」と評価。しかし、そのセキュリティの根本は「量子コンピュータは存在しない」という前提に立っていると指摘しました。

「もし量子コンピュータが存在すれば、ビットコイン総供給量の3分の1以上が脆弱な状態にさらされる。たとえば北朝鮮のような敵対勢力が量子コンピュータを持てば、正当な保有者からビットコインを盗み出せる、ということだ」(ホスキンソン氏、要旨翻訳)

何もしなければ、800万BTC以上が盗難の対象になる。ビットコイン・エコシステムには、この問題を放置する選択肢は事実上ない、と論じました。

3. BIP360 vs BIP361--「170万BTC永久凍結か、10%が2030年代に盗まれるか」

対応策として議論されているビットコイン改善提案(BIP)は二つ。ホスキンソン氏は両者の構造的なトレードオフを、極めて具体的な数字で対比しました。

BIP360: 耐量子の署名スキームをオプションとして追加し、保有者が自らの判断で移行できる仕組み。ビットコインの動作自体は大きく変わらないが、移行できない保有者が必ず生じる。

「すでに鍵を失っている保有者だけでも、少なくとも170万BTCある。総供給量の少なくとも10%が、2030年代のどこかで盗まれる可能性が高い、ということだ」(ホスキンソン氏、要旨翻訳)

BIP361: はるかに強硬な多段階計画。新しい署名スキームを追加し、レガシー・アカウントを凍結。一定期間内に新アカウントへ送金しなければ、完全にロックされる。

「少なくとも170万BTCが、永久に凍結されることになる。盗まれはしないが、誰も二度とアクセスできなくなる。たとえ以前はアクセスできた人でも、だ」(ホスキンソン氏、要旨翻訳)

ホスキンソン氏は、両提案のいずれを取るにせよ、決定権そのものがビットコインに存在しないという構造的問題を強調しました。

「サトシ・ナカモトはもういない。創業者もいなければ、リーダーもいない。原則の道か、実利の道か--どちらの方向にも合意を取り付けられるような全権委任を持つ組織は、ビットコインには存在しない」(ホスキンソン氏、要旨翻訳)

BlackRockやStrategyのような大口保有者は受託者責任から「最も安全な変更」を主張する一方、最初期から保有を続けるピューリストは「ビットコインは投資家の都合で変わるものではない」と主張する--立場の異なる関係者の間で、決定プロセスそのものが存在しない、というのが本講演の核心的な論点です。

「もしあなたが投票するとしたら、BIP360か、BIP361か。正解も不正解もない--文化、人生経験、政治的背景、すべてがあなたの判断を形作る。問題は、皆さんには投票する権利がない、ということだ」(ホスキンソン氏、要旨翻訳)

4. カルダノの三権分立--「全てのADA保有者に発言権がある」

ホスキンソン氏は、ビットコインの構造との対比として、カルダノが採用する「三権分立」型のガバナンスを提示しました。

・憲法(Constitution) --意思決定を導く規範文書

・DRep(Delegated Representatives/委任代表者) --保有者が信託投票を委任する代表者群

・憲法委員会(Constitutional Committee) --選挙で選ばれ、決定の憲法適合性を担保

「これは三権分立による、チェック・アンド・バランスの統治機構だ。カルダノもまた、量子コンピュータに対して無防備ではない。カルダノも、いつ、どのように自らをアップグレードするかを決めなければならない。ただしビットコインと違って、私たちはそれを、一つの声、一つのロードマップ、一つの人々で決めることができる。そして、すべてのADA保有者に発言権がある」(ホスキンソン氏、要旨翻訳)

5. カルダノ・トレジャリーと予算の3本柱--インフラ/ユーティリティ/体験

カルダノでは、すべてのブロック報酬の20%、およびすべてのトランザクション手数料の20%が、コミュニティ・ガバナンス下のトレジャリーに入る仕組みになっています。ホスキンソン氏はこれを「共通の利益のための税金として、全員が共同で支払っているもの」と表現し、その配分が3つのカテゴリーに整理されると説明しました。

・インフラストラクチャー(Infrastructure) --「私たちにできること」。Ouroboros Leios、量子耐性、プログラミング言語、会計モデルなど、カルダノに可能なあらゆる技術領域

・ユーティリティ(Utility) --「私たちが実際に行っていること」。Cardano上で稼働するdApp、エコシステムの商用化(Minswap、Bodega、Strike、Misumi 等)

・エクスペリエンス(Experience) --「どう実現するか」。ブランド、評判、マーケティング、利用体験

3カテゴリーは相互運用的で、互いに依存していると整理。

「正しいインフラがなければ、正しい体験はつくれない。逆に、どんな体験が重要なのか市場からのフィードバックがなければ、誰も使わないインフラをつくってしまうことになる」(ホスキンソン氏、要旨翻訳)

6. IOGの権限移譲・Draper Fund--成熟する分散統治

IOG(Input Output Group)は、かつてカルダノにおいて「すべての中心」に位置していた管理的(カストディアル)な存在でしたが、年を追うごとに、Intersect・Pragma といった機関の立ち上がり、憲法委員会メンバーの選出、DRepの組織化を経て、独立した統治機構が成熟してきた、とホスキンソン氏は説明しました。

「IOGは、どこにも去っていない。むしろ、これまで以上に多くのことを今、行っていると思う。カルダノを最高のものにすることを本業としているメンバーが、たくさんいる」(ホスキンソン氏、要旨翻訳)

今後数週間以内に、インフラ向けトレジャリー提案を提出予定。量子耐性のような未来志向の提案から、現在のカルダノの競争力を担保する短期的な提案、分散化を継続するための連合提案まで、複数の方向性を含むとしました。

ユーティリティ側では、米国を代表するベンチャーキャピタリスト Draper 氏がカルダノに特化したファンド「Draper Fund」を立ち上げ、承認されたことを公表。

「ようやくカルダノにも、プロフェッショナルなベンチャーキャピタル層が現れた。カルダノに対して、戦略的・体系的な投資を、あらゆる領域で行ってくれる存在だ」(ホスキンソン氏、要旨翻訳)

7. 日本のDRepコミュニティへのメッセージ--「カルダノが生まれた場所」

ホスキンソン氏は講演の終盤で、日本に向けた個人的なメッセージを残しました。

「カルダノ・エコシステムの皆さんは、この役割を真剣に受け止めてくださっている。そして率直に言って、日本ほど真剣に受け止めている場所はほかにない。カルダノが生まれた場所だ。最大のADAコミュニティが、今もそこにある」(ホスキンソン氏、要旨翻訳)

「ほとんどすべての提案について、日本のDRepの皆さんは、時間をかけて読み込むだけでなく、意味のあるコメントを残し、提案を磨いてくださっている。憲法の改定から資金提案まで、その勤勉さと情熱は、まったく揺るがない」(ホスキンソン氏、要旨翻訳)

8. クロージング--「人類を前に進めることもできる」

講演の総括として、ホスキンソン氏は、次の10年における暗号資産の勝者と敗者を分けるのは時価総額ではなく「原則をもってガバナンスに向き合えるか否か」だと論じました。

「勝者になるのは、ある特定の人々--原則をもってガバナンスに向き合った人々だ。敗者になるのは、ガバナンスを無視し、それを『必要悪』だと考え、できるだけ関わらずに済ませようとした人々だ」(ホスキンソン氏、要旨翻訳)

そして締めくくりは、ガバナンスを通じてこの技術が達成しうる射程について。

「ガバナンス。この技術があれば、できないことはない。戦争を終わらせることもできる。腐敗の責任を問うこともできる。世界に平和をもたらすこともできる。そして、人類を前に進めることもできる」(ホスキンソン氏、要旨翻訳)

チャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)氏 プロフィール

Input Output Group CEO兼創設者

チャールズ・ホスキンソンは、Cardanoブロックチェーンを手がけるInput Output GroupのCEO兼創設者であり、Ethereumの共同創設者。ワイオミング州の田舎で11,000エーカーのバイソン牧場を運営し、建設会社やアンチエイジング医療クリニックも所有。生物発光植物の遺伝子工学からダイアウルフの脱絶滅プロジェクトまで幅広い活動に関わる。パプアニューギニア沖で太陽系外の隕石断片を回収した海洋探査にも出資・参加。2021年にはカーネギーメロン大学にホスキンソン形式数学センターを設立。YouTubeやXで多くのフォロワーに向けて発信を続けている。

セッション映像

本基調講演の全編は、Tech for Impact Summit 公式YouTubeチャンネルにて、英語原音・日本語字幕付きで公開しています。

・YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=1-rO52RsEhM

・タイトル: Charles Hoskinson: Governance, Bitcoin’s Quantum Crisis & Cardano’s Path Forward|T4IS 2026

・収録日: 2026年4月26日(リモート収録、米ワイオミング州)

・検索: YouTubeにて「Tech for Impact Summit Hoskinson」

関連リンク

・Tech for Impact Summit 公式サイト:https://tech4impactsummit.com/ja

・ソーシャス株式会社 コーポレートサイト:https://socious.io/ja

メディア取材のお問い合わせ

本基調講演の引用・写真・取材のお取次ぎについては、Tech for Impact Summit 運営事務局(summit@socious.io)までお問い合わせください。

引用にあたっては、本リリースに掲載した発言を、出典「Tech for Impact Summit 2026 基調講演『Funding the Vision: Cardano’s Budget for What’s Next - hosted by Intersect』チャールズ・ホスキンソン(2026年4月26日、リモート登壇)」明記の上、ご利用いただけます。なお、本基調講演は英語で実施されており、本リリース中のホスキンソン氏の発言は、英語原音を日本語に要約・翻訳したものです(一部、英語原文の逐語訳)。日本語字幕付きの本編映像は上記YouTubeリンクよりご確認いただけます。

Tech for Impact Summit について

Tech for Impact Summit(T4IS) は、ソーシャス株式会社が主催する招待制エグゼクティブサミットです。ビジネス・政策・テクノロジー・文化の各領域を代表する経営者、機関投資家、政策立案者らが一堂に会し、メインステージ登壇およびチャタムハウス・ルール下のストラテジー・ダイアローグを通じて、人類が直面する最も切迫した課題に対して、高インパクトのテクノロジーをどう投入していくかを議論します。過去のサミットには、オードリー・タン氏(元台湾デジタル担当大臣)、平井初代デジタル大臣、チャールズ・ホスキンソン氏(Cardano創設者)、キャシー松井 氏(MPower Partners 共同創業者・元ゴールドマン・サックス副会長)らが登壇。次回は 2027年5月18-19日(火・水)、東京 にて開催予定。

お問い合わせ先

ソーシャス株式会社

Tech for Impact Summit 運営事務局

・Email:summit@socious.io

・公式サイト:https://tech4impactsummit.com/ja

会社概要

ソーシャス株式会社

・URL:https://socious.io/ja

・業種:情報通信

・本社所在地:東京都中央区日本橋3丁目2番14号1階

・代表者名:尹世羅

・設立:2021年07月

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