日本に住む外国人の数は年々、増えている。
人財サービス企業「アデコ」は、日本で常勤として働くホワイトカラーの外国人300名を対象に、日本で働くことに対するアンケートを実施。現在の就労環境、また日本人の働き方についてどのように考えているかを聞いた。その答えは、意外?納得?あなたの意見はどちらだろう。
まず、「あなたは現在の就労環境に満足していますか」という質問に対し、約8割が「現在の就労環境に満足しており、今後も日本の企業で働きたい」と回答していた。日本人としては嬉しい回答だ。
次に、前問で「現在の就労環境に満足している」と回答した231人に対し、どんな点に満足しているかを訊ねたところ、「業務内容」「同僚との人間関係」には約6割が満足しているのに対し、「人事制度」や「評価制度」に満足していると回答したのは3割未満で、約7割が人事や評価の仕組みに対する不満があることも明らかになった。日本人にとってはちょっとびっくり?!
さらに、「一緒に働いている日本人の働き方に関してどのように思いますか」と質問すると、「仕事の精度が高い」(80.3%)、「人財の指導や育成に長けている」(61.3%)と好意的な評価もある一方で、「無駄な会議が多い」(71.7%)、「時間の管理が上手くない」(56.7%)と考えた。「無駄な会議が多い」は、日本人も納得だろうか。
また、回答者の約7割が、日本独自の習慣に戸惑った経験があると回答している。「日本の企業での勤務におけるネガティブな経験」に対しては、外国人であることが理由で機会を与えられなかったり、「上下関係」や「年功序列」の厳しさをはじめとする組織文化、「会議が長い」「残業が多い」などの労働時間に関すること、「報・連・相」や「根回し」といった細かいコミュニケーションが求められる業務プロセス、必ずしも生産性やパフォーマンスで評価されない「評価基準のわかりにくさ」などが挙げられた。ここでも「会議」について答える人が多い。
一方、「日本で働こうと思った理由」を訊ねると、6割以上が「住みやすいから」(62.3%)、「日本に興味があるから」(60.7%)と日本に対して前向きな回答をしている。
そして、「外国人財が日本の企業で長く働くため、企業に必要だと思うこと」に対しては、「外国文化に対する理解の向上」を挙げた回答者が62.7%ともっとも多く、次いで「より良いワークライフバランスへのサポート」(62.3%)、「日本人・外国人従業員間の区別の撤廃(60.0%)となった。
「日本に興味を持ち、住みやすいから働いている」外国人が多いのは、日本人として光栄なこと。そんな彼らのために「外国文化に対する理解」について考えてみては?