千葉県の「佐倉市立美術館」のエントランスホールにて、国史跡井野長割遺跡指定15周年記念展示「ぜーんぶ佐倉の縄文展 ―地面の下の造形美―」が、10月27日(火)~12月20日(日)の期間に開催される。
縄文文化が発展していた佐倉地域
今から約1万3000年前、先祖たちはどんな暮らしをしていたのか。
約1万年間続いた縄文時代。佐倉では、印旛沼水系の豊富な水資源を背景に縄文文化が発展。千葉県の指定史跡である「上座貝塚」をはじめ、「江原台遺跡」「吉見台遺跡」など市内全域にわたり、縄文人の生活の痕跡が発見されている。
なかでも「井野長割(いのながわり)遺跡」は、縄文中期から晩期(今から約5500~2500年前)にかけて計画的に営まれた集落跡であることや、「環状盛土遺構」(中央広場を囲むように盛り土を形成した痕跡)が明瞭に現存していることから、縄文時代の社会・文化を考える上でも重要な遺跡であると位置づけられ、2005年に国の史跡に指定された。
同展は、そんな「井野長割(いのながわり)遺跡」が、国の史跡に指定されてから15周年を迎えたことを記念して開催される。
縄文時代の遺物を5つのテーマで展示
今回、佐倉市内の発掘調査などで出土した縄文時代の遺物を、「造形」「土偶」「動物」「海」「装飾」の5つのテーマから俯瞰できるように展示。
特徴的な装飾を施した土器などからは、縄文人が佐倉で豊かな生活を送っていたことが想像できる。
縄文時代特有の造形美に加えて、自然の恵みを得るための知恵や技術、縄文人たちの交流やモノの移動などを感じ取ることができそうだ。観覧は無料。
火おこし体験など関連イベントも開催
展示に合わせてイベントも開催される。
10月31日(土)は、縄文人の衣服をまとったり縄文スタンプで模様をつけたりする企画「縄文人になろう!」が、同美術館から徒歩2分の「旧今井家住宅」にて実施される。参加無料で申込も不要なので、気軽に参加してみよう。
11月21日(土)は、勾玉を作ったり火おこしをして縄文人の生活を体験する「勾玉づくり・火おこし体験」。参加費は300円(材料費)で、対象は小学生と保護者、定員10組。10月15日(木)から、佐倉市教育委員会文化課への電話・メールにて申込を受け付ける。先着順となるので、興味のある人はお早めに!
展示やイベントの詳細は、佐倉市の公式サイトで確認を。
■「佐倉市立美術館」
住所:千葉県佐倉市新町210番地
■「旧今井家住宅」
住所:千葉県佐倉市新町48
※おでかけの際には十分な感染症対策をお願いいたします。