北海道阿寒湖のアイヌ工芸の作り手たちが、伝統を大切にしながら新しいものづくりに挑戦するプロジェクト「AKAN AINU ARTS & CRAFTS → NEXT」から5商品が登場。初夏の発売に先立ち、3月4日(木)〜7日(日)に東京・渋谷ヒカリエで開催される「JAPAN BRAND FESTIVAL 2021」にて、商品の展示を行う。
アイヌ工芸に現代の感覚をプラス
北海道の東に位置する、アイヌの人々が暮らす集落「阿寒湖アイヌコタン」には、現在約120人の人々が暮らしている。そこで多くのアイヌ工芸の作り手たちが、先人から受け継がれた伝統を大切にしながら、現代の感覚も取り入れたものづくりを行っている。
「AKAN AINU ARTS & CRAFTS → NEXT」では、その作り手たちと外部企業クリエイターが共創し、新たなものづくりに挑戦。今回5商品が誕生した。
先行展示を行う「JAPAN BRAND FESTIVAL 2021」では、アイヌ文化や商品開発についてのオンライントークセッションも3月7日(日)に開催。予約などの詳細は、Peatixで確認を。
藍染のストール
「藍染のストール」は、こだわって選定した天然素材に職人が一枚ずつ手仕事で藍染を行った、力強いアイヌ文様のデザインと柔らかい風合いが新鮮なストール。
アイヌ工芸作家でありアイヌ歌謡の歌い手である郷右近富貴子氏と、札幌の印刷会社zabo.incとのコラボ作品だ。
ガラスのショープレート
「ガラスのショープレート」は、網走の流氷硝子館の硝子職人による吹きガラスに、サンドブラストにて文様を表現した、阿寒湖のゆらぐ水面を思わせる透明感のあるショープレート。
彫金作家で、自身のブランド「Ague(アゲ)」を運営する下倉洋之氏と、金沢の金箔メーカー「箔一」のブランドディレクター・鶴本晶子氏のコラボによる作品だ。
キツネのオブジェ&カッティングボード
作家の人柄が透けて見える、やさしさと愛嬌あふれる表情が魅力の「キツネのオブジェ」は、
木彫作家でアイヌ文化のガイドでもある瀧口健吾氏によるもの。
伝統工芸である「イタ(お盆)」に着想を得て、アイヌ文様を施し現代の暮らしに馴染むように製作した「カッティングボード」は、
木彫作家の平良秀晴氏によるもの。
こちらの2商品は、札幌のセレクトショップ「FAbULOUS(ファビュラス)」の北海道土産ブランド「子羆屋/こぐまや」とのコラボによる作品となっている。
アップサイクルした木彫りの皿も
また、「AKAN AINU ARTS & CRAFTS → NEXT」では、アイヌの伝統工芸品の技術を生かしたサステナブルなものづくりを行うアップサイクルプロジェクトもスタート。
第一弾は、アイヌ語で「わたしたちが-作る-皿」を意味する「チカㇻイタ」。北海道産白樺の間伐材を原料とするこの木の皿は、ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」で使用された皿から廃棄予定のものを買い取り、阿寒湖の工芸家達が新たな息吹を吹きこんだもの。阿寒湖の自然を思わせる美しい皿へと生まれ変わっている。