昔話ときいて思い浮かべる主人公は、桃太郎、浦島太郎のような男性が多いという人は少なくないだろう。また、女性が主人公の場合も、ひかえめでおとなしい女性。絵本になるのはそういう昔話が多いが、語りつたえられてきた昔話はもっと豊かで、へこたれずに自分なりの幸せをつかむ、いろんな女性たちが登場する。
そんな中、偕成社から、作家・中脇初枝さんが再話した「女の子の昔話えほん」シリーズが発売される。
1月発売の2作品
1月31日(月)より発売されるシリーズ第1弾『ちからもちのおかね』1,870円(税込)は、高知県で育った著者の中脇さんが思い入れのある、高知の昔話。
おかねは、とっても力持ちの女の子。大きな相撲取りをたったの3歳で追いはらい、大きくなると殿さまにも認められるほどになった。やがて、腕利きの猟師になると、天狗や化け物を相手に大活躍!といった物語だ。
また、同日よりシリーズ第2弾『わたしがテピンギー』1,870円(税込)も発売される。
2月発売の2作品
2月26日(土)より発売されるのは、奄美諸島の沖永良部島に伝わる『マーヤのさるたいじ』1,870円(税込)。
川で拾った桃の種から、大きな桃の木を育てたマーヤだが、ずるい猿にだまされて、おいしい桃を盗られてしまう。
マーヤは怒って、おにぎりをつくり、猿退治にでかける。へこたれない女の子が主人公の 「さるかに合戦」と「桃太郎」を1つにしたような昔話だ。
また、同日より発売されるシリーズ第4弾『花をさかせたがらない小さなキャベツ』1,870円(税込)は、フランスに伝わる昔話。
お母さんが女の子にキャベツの水やりをお願いするが、断られてしまう。子犬や小枝、火や水と、いろいろなものに頼みに行き、状況がエスカレートする“だんだん話”の昔話となっている。
3月発売の『おだんごころころ』
3月3日(木)より発売される『おだんごころころ』1,870円(税込)は、おだんごを追いかけて鬼の家にいった女の子の昔話が、布絵と刺繍で描かれている。
昔話のなかに語り継がれてきた多様な「女の子」を新たな形でよみがえらせる本シリーズを、この機会に手に取ってみては。