三重県伊勢市の「伊勢夫婦岩ふれあい水族館(通称・伊勢シーパラダイス)」と、愛知県知多郡美浜町の「南知多ビーチランド」は、繁殖を目的として所有権を残したまま動物の貸し借りを行うブリーディングローン制度を活用し、「伊勢シーパラダイス」のメスのセイウチ・ヒマワリと、「南知多ビーチランド」所有のオスのセイウチ・キックとの間で繁殖計画を実施していた。
この短期間の繁殖活動を終え、3月18日(金)にセイウチのヒマワリが「伊勢シーパラダイス」に帰ってくることとなった。
国内のセイウチ飼育館が繁殖に向け協力
日本では、9つの園館で、雄5頭・雌21頭の合計26頭のセイウチを飼育しており、そのうち繁殖に成功しているのは小樽水族館・鴨川シーワールド・鳥羽水族館の3園館のみ(※)。
現在セイウチの輸入は大変難しく、国内のセイウチ飼育館で協力して繁殖に取り組んでいる。
繁殖活動の状況
2002年に「伊勢シーパラダイス」へ来館したヒマワリは、推定21歳のメスで、体重は約650kg。相棒のタンポポと一緒に、柵なしのふれあいイベント「セイウチお散歩タイム」で活躍中の人気者だ。
1997年に鴨川シーワールドで生まれたキックは、24歳のオスで、体重は約1,000kg。2003年に「南知多ビーチランド」へ来園し、国内繁殖個体での飼育最長記録を更新中だ。
繁殖計画を実施する中で、3月11日(金)に、約25分間、水中でキックとヒマワリが一緒に泳ぐ様子を監視カメラで確認。翌日3月12日(土)の血液検査の結果、排卵が終わっていることも確認した。
妊娠の有無については初冬に判断できるそう。なお、妊娠を確認し問題なく経過すれば、来年夏ごろの出産となる。
人気者ヒマワリちゃんが帰ってくるこの機会に、「伊勢シーパラダイス」を訪れてみては。
※ 2021年12月31日時点