埼玉工業大学は、日本財団が3月14日に八ッ場あがつま湖にて実施した水陸両用船「八ッ場にゃがてん号」の無人運航の実証実験に参加した。
この実証実験は 日本財団の推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」の一環で、水陸両用船による無人運航の実証は世界初となる。
同プロジェクトで開発された、経路の追従、避航システムなどは、船舶の安全運航等に寄与することが期待されている。
水上の障害物を回避し、上陸する一連の自動運航を実現
埼玉工業大学は、ITbookホールディングスが代表となる「水陸両用無人運転技術の開発 ~八ッ場スマートモビリティ~」のコンソーシアムに長野原町、エイビット、日本水陸両用車協会と共に参加して開発を進めてきた。
また同大学は、「MEGURI2040」プロジェクトのコンソーシアムメンバーとして参加する唯一の大学として、ITbookテクノロジーとの共同研究により、自動運転・運航による水陸両用バスの開発と、ソフトウェアおよびシステムの設計・開発をしてきた。
今回、その成果として、長野原町所有の水陸両用船「八ッ場にゃがてん号」(全長11.83m、総トン数11トン)が陸上から入水し、水上を航行して障害物を回避し、上陸する一連の自動運航を実現した。
自動運航技術などの構築において目標を達成
埼玉工業大学は、自動運転バスの開発で培ってきた技術と、オープンソースの自動運転ソフトウェアであるAutowareをベースに、無人運航船のシステムを構築。
この2年間の共同研究の成果として(1)離着水・離着桟における位置推定及び自動運航技術、(2)水上障害物検知及び回避のための技術、(3)ローカル5G等を用いた遠隔操作技術の構築において目標を達成した。
埼玉工業大学 渡部大志教授コメント
同大学・自動運転技術開発センター長 渡部大志教授は、「日本財団の無人運航船プロジェクトに参加し、世界初となるチャレンジの機会を頂き感謝します。今回の実証実験のトピックスとしては、入水、障害回避、出水という3つの大きな課題に対して開発チーム一丸となって解決に取り組み、目標を達成できました。当初はマイクロバスレベルの開発でしたが、2年間の経験を通して、車の自動運転技術を上手く転用して、水上の自動運航技術を開発できました」とコメントしている。
埼玉工業大学 自動運転特設サイト:http://saikocar.sit.ac.jp/