京セラコミュニケーションシステムは、AI蔵書管理サポートサービス「SHELF EYE(シェルフアイ)」(※)を、鹿児島市立天文館図書館に導入した。

「SHELF EYE」

「SHELF EYE」は、本の背表紙画像をAIで解析し、蔵書点検の効率化を支援するサービス。

ICタグを利用する蔵書点検サービスは、全蔵書にICタグを貼付する工数や機器の導入コストが課題と言われているが、同サービスではタブレットのカメラで背表紙画像を撮影するため、低コストで導入できる。

また、セルフ貸出機は、利用者自身で貸し出し手続きを行えるシステム。セルフ貸出機を「SHELF EYE」の画像解析AIデータベースと連携させることで、背表紙画像から借りたい本を一括で識別することができる。

同社調べによると、画像解析AIによるセルフ貸出機は、ICタグを利用した貸出機と比較して約50％のコストで導入できるという。

公共図書館初のセルフ貸出システムを導入

鹿児島市立天文館図書館は鹿児島の中心部に位置し、人気の繁華街として広く知られる天文館にある。4月にオープンした複合商業ビル「センテラス天文館」内に開館し、会話や飲み物も楽しめる新しいスタイルの図書館として注目を集めている。

同館は基本的に年中無休で書架を整理する時間が限られていることから、短時間で効率よく蔵書点検や書架整理を行う必要があり、低コストで導入できる「SHELF EYE」が今回選定されたという。さらに、同館では利用者向けの新しいサービスとして、画像解析AIによるセルフ貸出機を導入。同社調べによると、画像解析AIによる蔵書点検・セルフ貸出機が公共図書館で実用化されるのは国内初とのこと。

有人カウンター業務の低減を実現！

同サービスの運用開始月である4月の貸出実績は約2万冊、貸出方法はセルフ貸出機が70％、有人カウンターでの従来方式が30％だったという。図書館運営において、セルフ貸出機の導入により、有人カウンター業務の工数を低減できていることがわかった。

また、2022年4月9日(土)～30日(土)の実績値によると、セルフ貸出機の画像解析AIによる読み取り精度は99.5％だそうで、有効に活用されていることが分かる。撮影不良や背表紙画像・蔵書データの登録漏れなどが理由で読み取りができない場合は、備え付けのバーコードリーダーで操作できるようになっている。

この機会に近くの人は、鹿児島市立天文館図書館を利用してみては。

■鹿児島市立天文館図書館
住所：鹿児島県鹿児島市千日町1-1 センテラス天文館4階・5階
蔵書冊数：2022年4月時点で約4万冊
URL：https://lib.kagoshima-city.jp/tenmonkan/

AI蔵書管理サポートサービス「SHELF EYE」：https://www.kccs.co.jp/ict/service/shelfeye/

※AI蔵書管理サポートサービス「SHELF EYE」は 特許取得済(特許第7023338号)です。