山梨県南アルプス市の法源寺は、山梨県南アルプス地域に宿坊「Temple Hotel南アルプス法源寺」を9月7日(水)にグランドオープンする。同施設は、南アルプス市に今までにない家族やグループで貸し切り、泊まれる宿泊拠点を増やすため、空き家をお寺で取得した1号目の拠点となる。
自然環境と調和した地域文化を生かす
南アルプス市は山梨県西側の南アルプス山麓に位置し、美しい自然に囲まれた地域。
2014年6月、「南アルプスユネスコエコパーク」が正式に登録承認された。ユネスコエコパークとは、生態系の保全と持続可能な利活用の調和(自然と人間社会の共生)を目的として、1976年にユネスコが開始。地域の豊かな生態系や生物多様性を保全し、自然に学ぶと共に、文化的にも経済・社会的にも持続可能な発展を目指す取り組みである。
ユネスコエコパークでは3つの地域を設定し、同宿坊の法源寺はそのなかで「移行地域」に該当する。
自然環境と調和した農業や歴史、文化を生かしたエコツーリズムなどを実施する地域として、地域の空き家を活用しお寺や地域文化活動が行える宿坊を目指している。
また、空き家数が1位の同県は、空き家問題解消のための一策として、この順位を逆手に取り“空き家率日本一の山梨県で空き家活用ビジネス!”をすすめている。
空き家を活用した一棟貸しの宿坊
「Temple Hotel南アルプス法源寺」は、1日1組の貸切宿で最大8名まで宿泊が可能。庭で焚火やBBQ、テントサウナをすることもできて、快適な宿とアウトドアの楽しさを両方楽しむことができる。
南アルプス市らしさを感じられる地域観光の入り口となる中長期滞在しやすい一棟貸しの宿は、地域の関係人口や移住者増加にもつながると考え、地元事業者と協業し「南アルプスTemple Hotelプロジェクト」が始動したという。宿坊は法源寺にて経営・運営し、全国9寺で「OTERA STAY(お寺ステイ)」を展開するシェアウィングが販売などのサポートを行う。
お寺の体験学習も
同宿坊では、お寺ならではのアクティビティや体験学習を提供。朝のお勤め、写経などに加え、横山住職がライフワークとして実施する「テンプルモーニング(Temple Morning)」も実施。
早起きとお経、掃除をお坊さんと行う“心と体を調える体験学習”で、子どもの夏休みの体験型学習などにもおすすめ。
このほか、お寺の本堂を仕事場やミーティング場所をとしても開放する「お寺ワーク」も予約制で提供。Wi-Fiやプロジェクターなど仕事環境も万全で、神聖な空気流れる静かな環境で仲間との絆を深め、集中して仕事をするなど、宿に泊まるだけでなくお寺ならではの学びの体験や心を調える過ごし方ができることができる。
地域の果樹園や店舗などと連携
また、同地域は名峰連なる日本有数の登山エリアであり、果樹園が広がるフルーツ王国でもある。お寺と地域事業者とが連携し、地域の魅力を宿坊滞在者に提供する。
「沢登農園」は、6月~9月限定でフルーツ狩りや宿坊でのフルーツ提供、「沢登農園カフェ&バル」では周辺の地野菜をたっぷり使用した夕食を提供。このほか、「山梨レストラン メリメロ」は甲州ワインビーフと地元野菜のBBQ、「GATES」「アウトドアショップ・ELK(エルク)」によるテントサウナやアウトドアグッズのレンタルなどが用意されている。
お寺の体験学習もできる一棟貸しの宿坊「Temple Hotel法源寺」を利用してみては。
■Temple Hotel法源寺
住所:山梨県南アルプス市十五所110
HP:https://oterastay.com/hougen-ji/
(山本えり)