車の廃材であるエアバッグ、シートベルトを素材として活用した服飾小物、雑貨ブランド「rerer(レレー)」を展開する「EST」は、廃シートベルトと植林木100%のホワイトバーチ合板を組み合わせた、バッグに入れて持ち運びもできる、サスティナブルな組み立て式スツール「obi(オビ)」を開発した。
同商品は、8月24日(水)~26日(金)に開催される合同展示会「JUMBLE TOKYO」で発表され、11月発売予定だ。
シートベルトを利用したスツールを企画
日本の自動車の再資源化率は90%台後半とも言われており、大半が何か別のものに利用されている。一方でエアバック・シートベルトは非常に頑丈で特殊な造り故、再利用することが難しく、多くが廃棄されてしまっているのが現状だ。
「rerer」において廃エアバック・シートベルトをアップサイクルし、小銭入れやポシェットなど小物の展開をしてきた「EST」は、少しでも廃棄物を減らす取り組みに貢献できるのではないかと、単体では特に利用の難しい廃シートベルトをそのまま座面に利用したスツールを企画した。
2者との異色コラボ
スツールに関して専門知識のなかった同社は、これまで数多くの椅子を手掛けてきた木工家の賀來寿史氏、そして多方面で様々な活躍をしている現代工作家/エンターテイナーのミズグチグッチ氏の協力を得ることで、ありそうで無かったシンプルなシートベルトのスツールを完成させた。
金具など使わないシンプル構造
「obi」のデザインは賀來寿史氏によるもので、インテリアとしても馴染み、気軽に使える、金具など使わない、シンプル構造。座面に圧力がかかることで板が引っ張り合い、より安定する。
シートベルト特有の強さとしなやかさを活かし座面部分に配置され、4枚のホワイトバーチ合板と組み合わせた簡単構造だ。
『帯』からのイメージ
同商品は、三本のベルト(帯)が張っている状態と『帯』という漢字のフォルムがリンクすることから、「obi(オビ)」とネーミングされた。
漢字の『帯』でスツールが表現されたロゴは、ミズグチグッチ氏によるデザイン。
個体差がある自分だけの一脚
使用されているシートベルトは、解体業者から国産車のベルトがランダムに集められ洗浄・消毒後、ブラック系・ベージュ系・グレー系の3種に分けられるが、一点一点違った表情をしている。
バーチ合板はラトビア産のホワトバーチで、FSC認証材の植林木100%の無垢材が使用されている。ホワトバーチは、構造用合板と比べ3倍の強度があり、積層面と木目が非常に美しく、敢えて無垢材が使用されていることで変化を楽しめて、経年により自分だけの一脚に。
価格は「obi HI(440mm高)」が小売価格¥16,500(税込)、「obi LO(245mm高)」が小売価格¥14,300(税込)。座面はブラック系・ベージュ系・グレー系の3色展開だが、廃シートベルトが再利用されているため、個体差がある。
廃シートベルトと植林木100%のホワイトバーチによるスツール「obi」をチェックしてみては。
「rerer」公式サイト:https://www.yuenstore.jp/
(角谷良平)