朝日出版社は、9⽉10⽇(土)に「長坂真護全作品2021」を発売した。
スラム街の廃棄物をアート作品へと昇華
同書は、スラム街に集積した廃棄物をアート作品へと昇華した長坂真護氏の作品で、その2021年発表分すべてを網羅した一冊。
掲載作品は、2015年パリ同時多発テロの直後、現地に赴いたことがきっかけで生まれた「月 -Moon-」シリーズ、「第2のアンパンマン」が目される、電子ごみから作り出されたキャラクター「ミリーちゃん」、環境を汚染しない農業事業を勉強するため、小豆島を訪問したことがきっかけで生まれた「We are same planet」シリーズなどだ。
作品の一部は、9月10日(土)~11月6日(日)の期間中に、上野の森美術館で開催される「長坂真護展 Still A ”BLACK” STAR」で鑑賞できる。
アートの力でガーナのスラム街の真実を伝える
長坂真護氏は、1984年生まれ。2009年、自ら経営する会社が倒産し路上の画家となる。
2017年6月“世界最大級の電子機器の墓場”と言われるガーナのスラム街“アグボグブロシー”を訪れ、先進国が捨てた電子機器を燃やすことで生計を立てる人々と出会ったことをきっかけに、アートの力を使って、“我々先進国の豊かな生活は、このスラム街の人々の犠牲のもとに成り立っているという真実”を先進国に伝えることを決意。
「サスティナブル・キャピタリズム」を提唱し、これまでに1,000個以上のガスマスクをガーナに届け、2018年にはスラム街初の私立学校「MAGO ART AND STUDY」を設立し、また、2019年8月アグボグブロシー5回目の訪問で53日間滞在し、彼らの新しい希望と生活のために、スラム街初の文化施設「MAGO E-Waste Museum」を設立した。
この軌跡をエミー賞受賞監督カーン・コンウィザー氏が追い、ドキュメンタリー映画“Still A Black Star”を制作し、2021年アメリカのNEWPORT BEACH FILM FESTIVALで「観客賞部門 最優秀環境映画賞」を受賞。現在、公開へ向けて準備中だ。
また、国内外に専属ギャラリー「MAGO GALLERY」があり、アート作品を堪能できるほか、SDGs関連活動に取り組む企業や自治体、学生などと連携し、勉強会やイベントなども企画開催している。
「長坂真護全作品2021」は11,000円(税込)で、MAGO GALLERYならびに書店・ネット書店にて販売中だ。
この機会に、長坂真護氏のアート×スラム街の世界に触れてみては。
朝日出版社:https://www.asahipress.com/
長坂真護展 Still A ”BLACK” STAR:https://www.mago-exhibit.jp/
(よしだゆうこ)