大雨で被災した青森県弘前のリンゴ農家が「CAMPFIRE」にてクラウドファンディングを9月6日(火)~10月10日(月)の期間行っている。
記録的な大雨で冠水被害
青森県弘前市で「中田農園」を営む中田洋輔氏は、8月上旬の記録的な大雨で冠水被害を受けたリンゴ園の復旧費をクラウドファンディングで募っている。
目標金額は300万円で、9月6日(火)に開始し、24日(土)現在で331人から目標の3分の2にあたる約200万円の支援金が全国から集まっている。
8月上旬の大雨被害状況について
8月上旬に記録的な大雨に見舞われた青森県では、全国一の生産量を誇るリンゴへの被害が11市町村の611ヘクタールに及んだ。収穫前のリンゴを廃棄せざるをえない状況で被害額は速報値で約7億5400万円にのぼるという。
中田氏の畑は、市内で一番大きい岩木川の河川沿いにあるが、畑がすっぽりと水没してしまうほど、水位が上昇した。河川上流にある大きなダムが水を貯めこみきれなくなったため放水し、各地域の川の水位が上がった結果、水門を開けざるをえない状態になったからだ。雨が止んだ後も3、4日間は川の水は引けず、中田氏の畑は、水に浸かりっぱなしの状態が続いた。
その結果、川の泥水に含まれている土壌菌によって腐食していまい、例年30トンほどある収穫が半分ほどにまで減ったという。
被害額はおよそ300万円。また、水没した畑では果実だけでなく木の樹勢にも影響を及ぼすため、来年リンゴの花が咲くかも心配な状況だ。
リターン品について
同プロジェクトへの支援には3000円~12万円まで5つのコースがある。リターン品は、金額に応じて冠水被害を受けなかった園地で収穫したサンふじやリンゴジュースが送られる。
リンゴのタルトタタンの誕生
既に完売となっているが、リターンの一つにSNSで繋がった米農家、パティシエと共同開発した「リンゴのタルトタタン」があった。
「リンゴのタルトタタン」が誕生したきっかけは、SNSで5万人のフォロワーを有し影響力のある「農家のKT」こと近藤匠氏(写真左)に今回の被害に関してSNSで発信して欲しいと連絡したことだった。
近藤氏による被害状況を伝える動画投稿が広く拡散される中で、東京の菓子店でパティシエをする小倉優太氏(写真右)からも「何か力になれないか」と連絡があり、コラボ商品を開発する運びとなったという。上記写真は8月末日に被災現場となった同農園に二人が視察へ来た時のもの。
三人は元々面識がなく、この日が初対面だったが、近藤氏は、「他人事とは思えない」と、小倉氏は「日頃使っている食材が大変な状況になり苦しんでいる人が居るなら飛び込まない理由はない」と力を貸してくれた。
「リンゴのタルトタタン」のリンゴは、被害を逃れた同園のものを。タルトタタンの生地には、愛知県の米農家である近藤匠氏が作った米の米粉を使用。これらの材料を元に、パティシエの小倉優太氏が調理した。
また、支援金は、薬剤費のほか、リンゴ樹に付いた泥を洗浄する機械や資材、苗木を購入する費用などに充てる。
「中田農園」を支援したいと思う人は、「CAMPFIRE」のプロジェクトページをチェックしてみては。
CAMPFIRE:https://camp-fire.jp/
プロジェクト名:りんご農家を続けたい!りんご畑復興プロジェクト!
(角谷良平)