HIKIDASHIは、小さい頃からの性教育の大切さを広く知ってもらうため、同団体代表の大石真那氏が出版した性教育絵本「げっけいのはなし いのちのはなし」の寄贈を幼稚園・保育園・小学校などの子育て関連施設へ行っている。
日本の性教育の現状
日本ではまだまだ性教育に対する抵抗感が根強く、思春期になれば学校で習うものという印象が強い反面、性交のことは義務教育の間は取り扱わないなどの様々な歯止め規定があり、子ども達が性に対して正しい知識を学べる環境にない。それに反して、子ども達の周りにはたくさんの情報が溢れ、若年での予期せぬ妊娠、SNSによる被害、性犯罪など、若者たちの性を取り巻く様々なニュースが連日報道されている。
対して、国際的には、ユネスコやWHOがなど2009年に作成した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」をもとに、単に体についての知識を与える教育だけではなく、人間関係、人権、文化、価値観、ジェンダーの理解、暴力と安全確保などにも配慮した、人権教育でもあり防犯教育でもある包括的性教育を幼児期からきちんと系統立てて教えていくことが推奨されている。
全国25施設へ寄贈
そんな中、HIKIDASHIは、“全ての子ども達に包括的性教育を”を合言葉に、小さい頃からの性教育の大切さを広める活動を行っている。その一環として、性教育絵本「げっけいのはなし いのちのはなし」を全国の幼稚園・保育園・小学校・図書館・子育て支援センターなどの子育て関連施設へ寄贈する事業を5月よりスタート。
8月までに全国25施設(小学校・聴覚特別支援学校・私設図書館・母子生活支援施設・不登校児支援団体など)から希望を受け、同書が寄贈された。寄贈先の施設からは、“施設の子ども達への性教育に活用したい。”“大人の側の性教育に対する捉え方が変わった。”などの声が寄せられているという。
科学的にわかりやすいイラストを用いて説明
「げっけいのはなし いのちのはなし」は、月経の機序や命の始まりであるセックスを科学的にわかりやすいイラストを用いて説明する性教育絵本。
同書で一番伝えたいことは、生き方には多様性があるということ。月経は命を繋ぐ大切なものである、ということを伝えると同時に、たとえ月経があるからと言って、必ずしも赤ちゃんを産まなければいけないということではない、ということまで描かれている。
「子どもを産むか産まないか、産むとしたらいつ何人産むか」を決める権利(性と生殖に関する権利=リプロダクティブライツ)があなたにはあるんだよ、ということを全ての子どもたち、そして大人たちにも知ってもらいたいという想いが込められている。
全ての子どもたちに包括的性教育を!HIKIDASHIの実施する活動をこの機会にチェックしてみて。
HIKIDASHI:https://npohikidashi.wordpress.com
「げっけいのはなし いのちのはなし」:https://legare-hikidashi.studio.site/book
(江崎貴子)