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文京区立森鴎外記念館で、特別展「鴎外遺産-直筆資料が伝える心の軌跡」開催

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文京区立森鴎外記念館では、森鴎外生誕160年没後100年、文京区立森鴎外記念館開館10周年を記念し、さまざまな展示やイベントを行っている。今秋は、特別展「鴎外遺産-直筆資料が伝える心の軌跡」を開催するほか、現在、コレクション展「鴎外の東京の住まい」も開催中だ。それぞれの情報を詳しく紹介しよう。

特別展「鴎外遺産-直筆資料が伝える心の軌跡」


文京区立森鴎外記念館では、特別展「鴎外遺産-直筆資料が伝える心の軌跡」を、10月22日(土)~2023年1月29日(日)の期間、展示室1・2で開催する。


今年没後100年を迎えた、文豪・森鴎外。同館では、鴎外の原稿や書簡、初版本など、貴重な「鴎外遺産」を保存・収集してきた。11月に開館10周年を迎える今年、新たに鴎外文学最高峰とも称される『渋江抽斎(その四十九、その五十)』の鴎外直筆原稿が「鴎外遺産」に加わった。

同展では、この『渋江抽斎』をはじめとする鴎外直筆原稿や、近年発見され森鴎外記念館(津和野)に寄託された、夏目漱石、正岡子規をはじめとする著名人の鴎外宛書簡を紹介する。

■鴎外直筆『渋江抽斎』その四十九、五十

鴎外直筆『渋江抽斎(その四十九、五十)』は、鴎外の長編史伝『渋江抽斎』<その一>~<その百十九>のうち、<その四十九>全文と<その五十>のほぼ全文。初出は1916年1月13日~5月20日の期間「東京日日新聞」、1月13日~5月17日の期間「大阪毎日新聞」に掲載され、原稿内容は掲載時と一致している。

原稿は罫線のない洋紙に鉛筆書き。鴎外自身による墨書の訂正書き込みも見られる。原稿は、活字を組む過程で、<その四十九>は13枚、<その五十>は11枚に分割して切られ、朱書きで番号が付されている。

鴎外の筆による文学作品の原稿が発見されることは極めて珍しく、書き直しや推敲のあとも生々しく、創作の過程をうかがうことができる。当時の新聞印刷工程を知る上での歴史資料としても興味深い。

■鴎外直筆 広告文

また、「東京日日新聞」「大阪日日新聞」に連載された鷗外の史伝『渋江抽斎』『伊澤蘭軒』『北条霞亭』の出版化に際して、鷗外が自ら書いた広告文も紹介される。

■鴎外宛書簡

さらに、新たに発見された鴎外宛書簡400通のうち、一部を公開。書簡は、小説家、劇作家、歌人、俳人、詩人、美術界、政治家、友人と多岐にわたっており、著名人も多く、鷗外の多彩な交友関係を示している。​

コレクション展「鴎外の東京の住まい」


また、同館では、8月5日(金)~10月16日(日)の期間、コレクション展「鴎外の東京の住まい」を展示室2で開催中だ。

■文京区立森鴎外記念館概略


鴎外は、島根県津和野町に誕生の後、10歳で上京、30歳の時に現在の文京区立森鴎外記念館の在る文京区千駄木に居を構え、60歳で亡くなる1922年までの30年に渡り家族と共に暮らしていた。その家は団子坂(別名:汐見坂)上に位置し、2階から東京湾が見えたことから、鴎外により「観潮楼(かんちょうろう)」と名付けられた。

観潮楼は、火災、戦災などにより現存しないが、跡地は1950年に児童公園となり、1962年に鴎外生誕100年を記念して、文京区立鴎外記念本郷図書館が開館。2012年に生誕150年を記念して文京区立森鴎外記念館が開館した。東京都指定旧跡「森鴎外遺跡」として文化財保護の対象となっており、現在は鴎外の遺品資料約3,000点、鷗外三男・類旧蔵資料約6,000点、図書資料約15,000点を所蔵している。

■鴎外が50年間暮らした東京の住まいを紹介

同展では、鴎外の東京の住まいを、書簡、鷗外や家族の著作、図面、写真型などをとおして紹介。そして、観潮楼跡地が、鷗外を慕う人々の手によって、顕彰の地としてよみがえり、現在の文京区立森鴎外記念館開館までに至る軌跡をたどる。

コレクション展「鴎外の東京の住まい」や、特別展「鴎外遺産-直筆資料が伝える心の軌跡」で、鴎外の生涯と業績に触れてみては。

■文京区立森鴎外記念館
開館時間:10:00~18:00、最終入館17:30
休館日:第4火曜日、12月28日(月)、12月29日(木)~2023年1月4日(水)、1月23日(月)
観覧料:600円、20名以上の団体は480円

(yukari)

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