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さまざまな形、味、色の“食べる器”に注目! 愛知県西尾市の榊原精器が挑むSDGs

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愛知県西尾市は、地元の中小企業によるSDGsストーリーを公開した。

西尾市、地元企業のSDGsを支援

同市は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロを目指す自治体として、2022年2月にゼロカーボンシティを表明。

2022年度事業者支援として、市内中小企業者等がSDGsの目標達成に向けた取り組みを支援する「SDGs推進事業者補助金」、エネルギーの見える化の実施や温室効果ガス排出量の削減を目的とした設備導入の経費を支援する「カーボンニュートラル推進事業者補助金」を実施している。


また、市内事業者のSDGs・カーボンニュートラルの取り組みを紹介する「西尾#サステナライフ」を全戸に配布。SDGsやカーボンニュートラルに積極的に取り組む企業を応援している。

そしてこのたび、自動車部品を中心に産業用ロボットなどを製造する榊原精器の取り組みを公開した。

味・形が様々な“食べる器”

榊原精器は、2020年10月にSDGs宣言を行い、環境問題・循環社会づくりへの貢献として“食べる器”の開発・普及を盛り込んだ。


この“食べる器”は、じゃがいものでんぷんを主原料とする可食容器。えびせんべい・焼きもろこし・紫いもなどバリエーション豊かな味や、目を惹くような可愛らしいデザインが特徴。使用する状況・環境によって異なるが、素材に耐水性をもたせ、ドリンクやかき氷等を約1時間入れておけるという。

また、生分解性があり、万が一捨てられても、10日もあれば土に還る。

製造業の技術力を生かした金型製作

このような“食べる器”の長所を生かして、2020年秋にアサヒビールと丸繁製菓が「もぐカップ」を共同開発。榊原精器は、金型製作で開発に協力した。

金型製作は、精密な仕事が求められる自動車部品製造で培った技術力により難しくはなかったという。しかし、実際に焼く素材はでんぷん粉などであり、焼くための温度によって出来栄えも大きく変わってくるという難しさはあったようだ。

金型の微修正や温度調整を繰り返しながら品質向上を目指し、オリジナルの形・味・色で製作することを可能にした。

“食べる器”の今後

榊原精器は、2021年4月に「食べられる器販売推進課」を創設、可食容器自社ブランド「食べるんディッシュ」を立ち上げ、海外展開を目指している。

また、現在手作業で作製している可食容器製造を自動化し、量産化にも挑戦。自動車部品製造業ならではのアプローチで、“食べる器”は新たなステージへ踏み出そうとしている。

きっかけは、タイのビーチ

もともとこの取り組みは、榊原精器の榊原社長がタイのパタヤビーチに溢れかえるプラスチックごみを目にしたことに端を発する。

帰国後、高校の友人が丸繁製菓の専務として“食べる器”を開発・製造しており、開発・販路の促進を一人で抱えていることを知った。そこから、ものづくり企業として培った技術を生かせないかと考え、金型製作や販売の協力を申し出たとのことだ。

「プラスチックごみをなくしたい」という思いと、ものづくり企業の技術力で前進していく“食べる器”の取り組みに、今後も注目していきたい。

西尾#サステナライフ:https://saas.actibookone.com/content/detail?param=eyJjb250ZW50TnVtIjoyMjAyMzV9&detailFlg=0&pNo=1

(Higuchi)

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