安中特殊硝子製作所は、自社初オリジナルブランド「MAROW」の第一弾製品「江戸切子ガラスペン」を発売。12月7日(水)に、オンラインストアにて注文受付を開始した。量産が難しいため数に限りがあり、現在販売を一時ストップしているが、1月初旬に販売を再開する予定だという。
高度な特殊硝子技術と伝統工芸が融合
安中特殊硝子製作所は、1949年の創業以来、ガラス加工のスペシャリストとして多種多様な特殊硝子の加工を行っている。その中で、新ブランド「MAROW」シリーズを企画し、第一弾製品として「江戸切子ガラスペン」を制作した。ブランド名は、研ぎ磨くことを意味する日本語の「磨礱(まろう)」に由来し、“日本の研ぎ澄まされた技術を生かす製品を世に送り出し、これからも研鑽し続けていきたい”という思いが込められている。
制作は、東京都の江東区と墨田区に拠点を持つ3社の力を結集。切子加工ができるよう、軸のガラスを成型し研磨する工程を江東区に本社を置く安中特殊硝子製作所が行い、江戸切子の工程を江東区の根本硝子工芸、ペン軸のひねりとペン先の成型溶着を墨田区の竹内製作所が担っている。
根本硝子工芸が描き出す美麗な「菊繋ぎ文」
江戸切子は、国の伝統的工芸品にも指定されている東京を代表する伝統工芸の一つ。ガラスペンには、10種類以上ある江戸切子の伝統文様の中でも特に難易度が高いとされる「菊繋ぎ文」が刻まれている。
幾重にも均一な線を正確に重ねることで、不老長寿を意味する菊が連なるように見える吉祥文様は、“江戸切子界にこの人あり”と名高い根本達也氏の技術の賜物だ。
軸とペン先の仕上げを担う竹内製作所の卓越した職人技
軸とペン先の仕上げは、国内外のメーカーから様々な要望を50年以上実現してきたガラス製作のスペシャリスト竹内信夫氏が手がける。
難易度の高い「ファイヤーポリッシュ」を施し、デザインに合わせてペン軸をひねることで、唯一無二の輝きを持つ逸品が完成した。ペン先の精度にもこだわり抜き、先端には平らな面をつくらず、なだらかな山形がすべてのインク溝に浸透するよう調整。途中で途切れることなく、寝かして書いてもなめらかな書き味を実現している。
造形・主軸全長・ペン先を組み合わせた計6種の展開
サイズは、全長約152mmの「ショート」、全長約178mmの「ロング」の2種類。ペン軸のデザインは、全体をひねる「HINERI -TypeF-」、軸の後半がストレートの「HINERI -TypeH-」の2種類。
ペン先は「ストレート」と「ツイスト」の2種類。組み合わせで6種類のペンを用意している。なお、「ロング」サイズは「HINERI-Type F-」のみとなる。また、線幅(字幅)は中細字と太字から選ぶことができる。
価格は、「ロング HINERI -TypeF-」が110,000円(税込)、「ショート HINER -TypeF-」「ショート HINER -TypeH-」が各77,000円(税込)。受注生産となり、「MAROW」のECサイトにて注文後、約1カ月で順次配送される。
アートに昇華した伝統工芸品「江戸切子ガラスペン」を手に入れてみては。
MAROW ECサイト:https://marow.buyshop.jp/
安中特殊硝子製作所HP:https://annaka-tg.com/
根本硝子工芸HP:https://nemotogarasu.com/
竹内製作所HP:https://clarto.jp/
(山本えり)