滋賀県立琵琶湖博物館の最新情報をお届け。早速チェックしていこう!
「滋賀県産ミナミヌマエビ」を展示
滋賀県立琵琶湖博物館は、3月14日(火)~5月14日(日)の期間、2022年夏に100年ぶりに再発見された「滋賀県産ミナミヌマエビ」を、水族トピック展示として、アトリウム企画展示室前に展示する。なお、水族企画展示室もしくは水族展示室が再開した際はそちらに移動される予定となっている。
陸封性の小型の淡水エビ「ミナミヌマエビ」は、西日本に広く分布するエビで、比較的よく見られたエビだが、近年は農薬などの影響により生息数を減らしているとされている。中でも、滋賀県は特に、危機的な生息状況であるとされていた。
100年以上前に採集された標本が唯一の確実な記録とされ、特に2000年以降には国外外来種のシナヌマエビが見つかるようになり、既にミナミヌマエビは絶滅したとされていた。
ところが、昨年8月に京都大学から発表された論文にて、滋賀県からは絶滅したとされる「ミナミヌマエビ」が、約100年以上の時を経て、滋賀県のいくつかの河川から再発見されたことが報告された。一方で、滋賀県内は外来種「シナヌマエビ」が非常に多いことも報告された。
これらの淡水エビは、河川や琵琶湖で魚とりなどをしていると、よく見かけ、持って帰って飼育したり、他の魚の餌にする人も多いと思われる。しかしながら、滋賀県では条例により、外来種のシナヌマエビをはじめとする、「ミナミヌマエビの滋賀県産個体群以外のカワリヌマエビ属」を飼育する際には届け出が必要となっている。
在来のミナミヌマエビが再発見されたことや、普通に採れるエビ類のほとんどが、滋賀県では飼育に届け出が必要な種類であることは、残念ながらあまり浸透していない。
そこで、野外で良く触れ合う機会も多い身近な生物でも、今回のような再発見のような事例があることや、飼育に届け出が必要な外来種が存在していることなどを知ってもらうために、今回滋賀県内に生息する「ミナミヌマエビ」と「シナヌマエビ」の生体、100年前のミナミヌマエビの標本が、トピック展示として紹介される。
なお、ミナミヌマエビや採集の様子、論文著者との対談などが、滋賀県立琵琶湖博物館公式YouTubeチャンネル『びわこのちからチャンネル』にて公開中だ。YouTubeチャンネルをチェックしてから実際に「滋賀県産ミナミヌマエビ」を観察してみては。
※生体や標本の状態により、一時的にバックヤードに移したり、展示を取りやめたりする可能性がある
「びわ湖の“ヨシ”って いいね!」開催
また、滋賀県立琵琶湖博物館の環境学習センターでは、3月14日(火)~28日(火)の期間、地域を「知る」環境学習として、「びわ湖の“ヨシ”って いいね!」をアトリウムで実施する。
この企画は、滋賀県民ならだれでも知っている風景である、びわ湖岸でよく見られる「ヨシ」をきっかけに、環境について考えるイベントだ。
第八弾の今回は、「ヨシ」に関するパネル展示やヨシ素材を活かした製品の展示はもちろん、3月21日(火・祝)・25日(土)の13:30~14:30には、日本よし笛協会会長の近藤ゆみ子氏によるよし笛コンサートも開催される。入場料は無料、ただし博物館の入館料は別途必要となる。
“目”だけでなく、“耳”で学ぶ環境学習を体験してみては。
■滋賀県立琵琶湖博物館
住所:滋賀県草津市下物町1091
開館時間:9:30~17:00(最終入館16:00)
休館日:毎週月曜日(休日の場合は開館)
※その他臨時休館あり
※12/26~1/3は年末年始休館・1/23~27はメンテナンス休館
観覧料:一般800円、高校生・大学生450円、小学生・中学生無料(常設展示)
※現在、水族展示室が臨時閉室されており、水族展示室の閉室中の観覧料金は、一般550円、高校生・大学生300円となっている。詳しくは、琵琶湖博物館ホームページにて確認を。
公式サイト:https://www.biwahaku.jp/guide/price.html
春のお出かけに、滋賀県立琵琶湖博物館を訪れてみては。
(yukari)