copiinが運営する「TSUKUYOMIBLACK」が、3月3日(金)にフランスで開催された「パリファッションウィーク」にて2023年秋冬コレクションを発表した。
奄美大島の伝統染色「泥染め」を施した作品
TSUKUYOMIBLACKは2018年に日本で立ち上げられたブランドで、染め物を中心とした作品を発表している。
今回発表したコレクションのテーマは、“地球に生まれ、地球に還る”。奄美大島の伝統染色「泥染め」による作品を中心にデザイナー・緋咲レイラ氏による手染めや脱色を施した作品が発表された。
作品は、実際に奄美大島に滞在し、現地の職人と生地染めを行ったという。奄美大島の豊かな水や大地の泥に触れ、サステナブルな観点からも伝統的な染色方法の「泥染め」がコレクションの中心に仕上がった。
奄美大島伝統の染色方法「泥染め」
泥染めとは、奄美大島伝統の染色方法。テーチ木(車輪梅)の木の皮を煮出し、繰り返し生地を浸し染めていき、染め続けていくと段々と色が濃くなっていく。
泥田と呼ばれる天然の泥にこすり合わせていき、鉄分の化学反応により色が変化していく。大島紬を始めとする奄美大島の伝統染色方法であり、起源は古くおよそ1300年前には既にこの手法が確立されていたと言われている。
再生可能繊維「バサルト繊維」を使用
このコレクションでは、再生可能繊維として注目されている「バサルト繊維」を使用したテーラードジャケットが発表された。
玄武岩が原料となっているバサルト繊維は耐熱、防火に優れ機械強度も高いことから工業製品の原料として使用される機会が多い繊維だが、自然由来の原料の為リサイクルに向いたサステナブルな繊維として近年注目されている。今シーズンは洋服として活用する事に着目した。
受注販売の予約を5月より開始
コレクションでは藍染やタイダイ染めを複数回繰り返し、脱色や抜染をすることで経年や自然の濃淡を表現した。使い古されたニットをリメイクしたドレスや、コーヒー豆の入っていた麻袋を使用したパンツなど、身近にある捨ててしまいそうになるものをアップサイクルすることにも着目している。今回発表された作品は受注販売の予約を5月より開始する。
「泥染め」や再生可能繊維を使用したコレクションを発表した「TSUKUYOMIBLACK」を、この機会にチェックしてみて。
TSUKUYOMIBLACK:https://www.tsukuyomiblack.com/
ParisFashionWeek-23FW/Runwayfull:https://www.youtube.com/watch?v=0AxQGVsoCtE&feature=youtu.be
(江崎貴子)