黒部・宇奈月温泉観光局は、富山県黒部市にある宇奈月温泉が開湯100周年を迎えることを記念して、「宇奈月温泉木管事件」をモチーフとした「権利ノ濫用除お守り」を企画。4月8日(土)、宇奈月神社隣の黒部市芸術創造センター セレネにて授与を開始した。初穂料は1300円。
「権利濫用の禁止」が制定されるきっかけとなった事件
戦前の宇奈月温泉で、土地の所有権者であるという絶対的な立場(パワー)に基づいて、木製の湯引管(木管)に対する悪質な要求をする事件が起きた。それが「宇奈月温泉木管事件」だ。
この事件は民法一条三項「権利濫用の禁止」が制定されるきっかけにもなった。「権利濫用の禁止」という言葉は聞いたことがあっても、「宇奈月温泉木管事件」自体は法律を専門に勉強していない人たちには意外と知られていない。
そこで、宇奈月温泉の歴史について多くの人に知ってもらいたいという思いと、聖地宇奈月を訪れてくれた法律関係のファンのための思い出やお土産となるように、そして何らかの「パワー」に基づいてハラスメントなどの「権利の濫用」に困っている人のために、「権利ノ濫用除お守り」を企画した。
パッケージには、「宇奈月温泉木管事件」の登場人物たちもイラストで描かれている。
良い人・環境・縁に恵まれるよう宇奈月神社にて祈祷
「権利ノ濫用除お守り」は、パワハラ、セクハラなどのハラスメントのほか、嫌がらせやいじめなど、立場などを利用して害を与える人やことを除けてくれるお守り。
肌身離さず携帯することで、良い人・環境・縁に恵まれるよう宇奈月神社にて祈祷している。自分のためにはもちろん、苦しい状況にある友人やこれから社会に出る家族へ贈るのもおすすめだ。
高岡法科大監修の「木管グッズ」も登場
また、開湯100周年を記念して宇奈月地域全体が様々な企画を準備中。黒部・宇奈月温泉観光局は、「宇奈月温泉木管事件」の木管をモチーフにしたグッズを順次発表予定だ。グッズは、北信越地区で唯一の法学部を有する私立大学「高岡法科大学」が監修する。
監修を担当した法学部専任講師の後藤亜季さんは、「大審院判決から87年経った今なお、法学徒がうなづき湖畔の宇奈月温泉木管事件石碑を訪れるのは、権利濫用の禁止が、誰もが自分らしく生きる社会に不可欠だという思いがあるからではないでしょうか。グッズを通じてこの思いをより多くの方と共有できれば幸いです。」とコメントしている。
ハラスメントや嫌がらせなどを除けてくれる「権利ノ濫用除お守り」を手に入れ、宇奈月温泉で心と身体を清めてリフレッシュしてみては。
■黒部市芸術創造センター セレネ
住所:富山県黒部市宇奈月温泉6番地3
HP:https://www.unazuki-selene.com/
黒部・宇奈月温泉観光局HP:https://www.kurobe-unazuki.jp/
(山本えり)