石巻市博物館にて、石巻市博物館×武蔵野美術大学 石巻市博物館 第5回企画展「民具のデザイン図鑑 くらしの道具から読み解く造形の発想」が5月27日(土)から開催される。
東日本大震災から救い出された「レスキュー資料」も
同展は、武蔵野美術大学の民俗コレクションを主体とした巡回展。2022年度に同学鷹の台キャンパスで開催した、民俗資料室ギャラリー展示30「民具のデザイン図鑑 くらしの道具から読み解く造形の発想」を元にしているが、大学で企画したものをより広く深く土地に発展させようと、監修者と地域博物館の研究交流から、双方のコレクションの魅力をひき出すための共同成果として実現した。
石巻市博物館側から出品される資料は、2011年の東日本大震災から救い出され、安定化処理を終えた、「レスキュー資料」。博物館は地震と津波で壊滅的な被害を受けたが、2021年秋に新たな施設で内陸部に開館した。今回の企画展は、復旧された被災民具から地域的特色を示すものを展示で紹介する、またとない機会となる。
3つのコーナーに計100点が展示される
同展は、①日常的な労働や身の丈にあった生活に即した造形〈かたちと身体〉、
②デフォルメされた「祝う」かたちの面白い造形が意味を生み出し、民衆に共感された造形〈ユーモアと図案〉、
③自然に宿る精霊や神仏を表現し、その霊性を暗示する造形〈見立てと表象〉の3つのコーナーで構成され、武蔵野美術大学美術館・図書館から70点、石巻市博物館から30点が展示予定となっている。
会期中はスペシャルイベントも開催!
会期中は、同学の教員や学生たちによる、トーク・セッションや石巻でのフィールドワークによる制作、展示も行われる。
5月27日(土)9:30〜は、オープニング記念として、武蔵野美術大学学長・樺山祐和氏による学長トーク「美術の豊かさ、デザインの可能性」が行われる(申込不要、参加無料、定員50人)。
7月1日(土)13:00〜15:30には、トーク・セッション「民具とデザインでこんなこともできる! 美術大学から提案するコレクションの可能性」を開催(申込不要、参加無料、定員300人)。加藤幸治氏(武蔵野美術大学 美術館・図書館副館長)、杉浦幸子氏(同 芸術文化学科教授)、西川 聡氏(同 工芸工業デザイン学科教授)、大石啓明氏(同 デザイン情報学科准教授)神野善治氏(日本民具学会会長・武蔵野美術大学名誉教授)が参加する。
また、8月8日(火)〜8月20日(日)には、ワークショップによる展示「民具のその先へ」が開催される。
興味がある人はチェックしてみては。
■石巻市博物館 第5回企画展「民具のデザイン図鑑 くらしの道具から読み解く造形の発想」概要
会期:5月27日(土)~8月20日(日)
会場:石巻市博物館(宮城県石巻市開成1-8)
時間:9:00~17:00(入館受付は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日休館)
入館料:一般 600円/ 高校生 400円/ 小中学生 200円
(オガワユウコ)