日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、埼玉県久喜市を写真とともに紹介する。
Vol.15/埼玉県久喜市
久喜市は元々、合併前からも存在していた。それがのちに、栗橋町、菖蒲町、鷲宮町と合併し、現在のまちの形に至る。久喜市では市街地からも遠くないところには高速道路のインターチェンジがあり、トラックもずいぶん多かった。そして、久喜駅に訪れてみると、中心部としての気配が漂っていた。
先日、都内に住んでいる方が、高速道路に乗って久喜市にへ訪れたというので、ちょっと話を伺ってみたら、「都内からすごく近かった」と仰っていた。地図で見ても、東京から久喜方面へ向かうのと、横浜方面へ向かうのと、それほど差がないように思える。鎌倉や逗子に行くよりも、距離としては確実に近い。もう少し具体的には、新宿-久喜は約46km、新宿-鎌倉は約58kmであった。
だから、地元の方々は、そのことを知っているのではないだろうか。久喜市は都心にも近い。私たちは土地のことを「知っているか」「知らないか」によって、心理的に距離が長くなったり、短くなったりするように思う。久喜市を訪れたことで、ぼくは心の距離がグッと近くなった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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