日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、埼玉県神川町を写真とともに紹介する。
Vol.45/埼玉県神川町
神川町に位置する有名な神社に、金鑚神社が挙げられる。ぼくは確実な御利益を得られるような、パワースポットの信憑性をそこまで信用していないけれど、清々しさや悪い気持ちにならないといった、肌で得られる感覚は良いと思っていて、金鑚神社も気持ちのいい神社だなあと、5年前に一度訪れたときに感じていた。
前回訪れたのは晩秋で、銀杏の香りが境内を満たし、社殿の屋根と地面一帯が黄色の絨毯でいっぱいだった。今回は初春であり、木漏れ日がキラキラと揺れ動く軽やかな光に包まれていた。
金鑚神社の隣には一乗院 大光普照寺があり、あわせて参拝した。神川町役場の方面へ向かっていくと、木々に囲まれた景色から、畑の土がよく見えるひらけた景色に変わり、青空を見上げることができた。ちょうど、山の景色と平野部の景色の境界線が数キロの間にあって、日本の地形の複雑さと美しさを、同時に感じられるまちだった。
次回は、埼玉県旧児玉町(現本庄市)を写真とともに紹介予定。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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