1969年創業の総合印刷紙器メーカー・三洋紙業は、“紙の新しい価値”を提案する本格スペシャリティコーヒーショップ「PAP.COFFEE(パップコーヒー)」を、9月18日(月・祝日)、東京・原宿にオープンする。
老舗の紙加工会社が手がけるコーヒーショップ
東京の下町・足立区に根差し、創業以来紙加工業を営んできた三洋紙業。
同社が東南アジアに拠点を持っている縁で訪れた、標高1400mのメーチャンタイ村では、少数山岳民族のアカ族がコーヒーを中心とした作物を栽培していた。
アカ族は東南アジアの中でも最もインフラ整備に遅れ、貧困人口が多いとされる山岳民族の一つ。日本のアジア自立支援機構が村の自立支援をしており、「メーチャンタイ村コーヒー豆」のブランド力向上を模索していた。同時に、三洋紙業は積み上げてきた事業の経験をSDGs達成への国際的社会貢献に活かす方策を探していた。ここから紙製パッケージや販促物の開発経験を持つ三洋紙業で、コーヒー事業展開の構想が始まった。
ペーパーレスが推奨されている現代であっても、紙そのものの魅力は様々な可能性を秘めている。「PAP.COFFEE」では、“紙ならではの魅力”に焦点を当て、カフェという場を通じて多くの人が紙に触れるきっかけを作ることを目指している。
「PAP.COFFEE」の「PAP」は「PAPER(紙)」の頭の3文字であり、紙と人を繋ぐ「Paper & People」、コーヒー生産者と消費者のつながりに焦点を当てる「People & People」の意味も持つ。
同店では、紙の魅力を多角的に感じられる店内空間で、紙の特徴を生かしたパッケージのドリンクなどを提供。フェアトレードを基本としたコーヒー農園の自立支援、紙資源の循環方法に対する試みなど、未来志向的なカフェとして様々な発信を行っていく。
紙という素材の“新たな価値”を創造するクリエイティブ
どの時代もファッションやクリエイティブの発信地である原宿は、近年では再開発計画が進行しており、変化を象徴する街でもある。この場所から“新しい紙の在り方”を発信しようと考え、個性的な店などが立ち並ぶ“奥原宿”に出店することを決定した。テーブルや椅子など、店内で日常的に使われるものをできるだけ紙で制作することを試みている。
ブランドアートディレクション・グラフィックデザインは、国内外で数々の賞を受賞してきたBULLETの小玉文氏、空間デザインは、インテリアデザインや建築設計など多岐にわたり活動しているDO.DO.の原田圭氏が担当。
紙の魅力を活かしたパッケージ・飲食容器や家具の開発、提案を進めている。撥水性と意匠性を兼ね備えた、かき氷用の紙製容器の設計開発などにも力を入れている。
「スペシャルティコーヒー」と「ドルチェかき氷」
同店では、メーチャンタイ村からダイレクトトレードで仕入れるシングルオリジンアラビカコーヒーを中心としたドリンクや、今年惜しまれながらも閉店した、かき氷ブームの火付け役でもあった渋谷の名店「セバスチャン」の川又浩氏が監修するドルチェかき氷を提供。「有機かぼちゃとローストアーモンド かぼちゃのエスプーマと生キャラメル」など季節に合わせて旬の果物を活かしたかき氷や、アレンジドリンクを用意する。
「PAP.COFFEE」で、紙の魅力を感じながらコーヒーやかき氷を味わってみては。
■PAP.COFFEE
住所:東京都渋谷区神宮前1-10-6 セリジェ神宮前102
Instagram:https://www.instagram.com/pap.coffee/?hl=ja
(山本えり)