日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、群馬県藤岡市を写真とともに紹介する。
Vol.60/群馬県藤岡市
藤岡市では高山社跡を訪れた。最初に文字を見たとき、城跡なのだろうかと思ったけれど、違う。世界文化遺産『富岡製糸場と絹産業遺産群』の構成資産のひとつだ。高山社跡は、養蚕業を全国に広めた高山長五郎の生家で、養蚕の研究や指導を行っていた場所である。
係の方に案内していただき、なぜ高山社跡が世界遺産に認定されたのかも教わった。それは、養蚕学校を作り指導者を育てたから。養蚕学校の生徒は兵役を免除されたという話も。当時の養蚕産業の位置づけがいかに重要だったか感じられる。養蚕業の聖地にも近いように思えた。
それから藤岡市の地名の通り、「ふじの咲く丘」に訪れる。小雨降る中で、しっとりと紫の花が咲いていた。七輿山古墳にも訪れてみると、古墳だとわからないほど丘の大きさだ。史跡やスポットが点在していて、季節の巡りと時間の長さを感じられる藤岡市だった。
次回は、群馬県旧吉井町(高崎市)を写真とともに紹介予定。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247/