日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、群馬県旧月夜野町(みなかみ町)を写真とともに紹介する。
Vol.76/群馬県旧月夜野町(みなかみ町)
みなかみ町に位置する、旧月夜野(つきよの)町。もう、ほんとうに美しい名前の地名だと思う。旧市町村一周の旅を始めて、市町村が合併することで美しい地名が見えなくなってしまうことの惜しさを感じる。
「月夜野びーどろパーク」へ訪れてみた。ガラスのテーマパークであり、ガラス細工の体験もできる。店内には趣向様々なガラス製品が展示されていて、巡るだけでも眼福だった。工芸品はいつ見てもかっこいいし、それを生み出す職人さんたちには尊敬の気持ちばかりだ。
「歴史を変えた」とコピーに書かれた、名胡桃城址。歴史を変えたことに関わりのある城は近くの沼田城だ。沼田城をめぐって、真田氏と北条氏が争った。さらに今度は、北条氏が名胡桃城を不法に攻略し、豊臣秀吉の怒りに遭った。その後、北条氏は小田原征伐を受けてしまったのだった。
歴史は結果として生じるもので、「もしこのときに違う顛末だったら……」と呼ばれるようなことは幾千も存在する。ただ、それを私たちが後から振り返ってみると、不思議な世の中の流れというものを感じ、とても面白いのだ。
次回は、群馬県沼田市を写真とともに紹介予定。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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