東北の古都、岩手県平泉町はコロナ禍の観光者下落を乗り越え、再び世界遺産や歴史を感じられる名所を訪れる観光客で賑わっている。
里山の温泉宿として旅の疲れを癒す場所でありながら、地域の高齢化に伴う介護の場としてもチャレンジを続けている「奥州平泉温泉 そば庵しづか亭」は、持続可能な社会づくりに貢献するためSDGsの観点から8つの重要取り組みを策定した。
利用者の理解を得るために「宣言書」を作成
「奥州平泉温泉 そば庵 しづか亭」は、東北の古都平泉中心部から里山へ車で10分の距離にあり、全10室と源泉掛け流しの温泉を魅力として、観光に訪れる人々に田舎ならではのおもてなしを提供している。
すでに事業内で実現している「車椅子利用者に向けたユニバーサルデザイン個室」「自家菜園 たゆたう」などの取り組みをきっかけに、各利用者へもSDGs項目の一部を理解してもらえることが更なる活動の一助になると考え、今回「宣言書」の作成と掲示に至った。
地域に根差した場所として活動
「奥州平泉温泉 そば庵 しづか亭」では、SDGs共通理念「誰ひとり取り残さない」の体現に努めるため、地域学生の職業体験学習の場の提供、菜園を通じたイベントの設定など、宿泊者のための施設ではなく、地域に根ざし、時に挑戦の場として活動に努めていく。
食を通しての取り組みについて
また、自社菜園を活用し、安心安全な食の提供を継続していくほか、食品ロス削減への取り組みとして、必要分の生産と規格外品の活用を継続していく。
現在提供している野菜の自給率は100%を占め、季節に応じた無理のない栽培は四季折々の旬の野菜を提供できるアピールポイントでもある。
必要な分の生産と収穫、余剰分は敷地内での直売や保存品としての加工、規格外品は染物の原料として活用し、土産品の制作にも活用。野菜以外の食材に関しても地産地消を心がけることで、仕入れ時のGHG削減を意識している。
プラスチック削減への取り組み
さらに、宿泊サービスで提供するアメニティは、プラスチック利用削減を意識したものを選択している。宿泊者に対しサービスの質が落ちないことを約束しながらも、今後もプラスチック利用削減を意識した選択を行っていくという。
車椅子利用者の快適な滞在のために
「奥州平泉温泉 そば庵 しづか亭」では以前より、車椅子の利用者も安心して快適に過ごせる「ユニバーサルデザインルーム」を用意しているが、さらに1人でも多くの人が快適に滞在できるよう、改築を重ねていくという。
例えば、広いトイレと脱衣所を完備したスロープ付新大浴場の設置や、希望者への「やわらかめ食」の用意、滞在中の負担が少ないテーブル席の客室の用意などが検討されている。
雇用への取り組み
雇用創出の継続につなげるため、自社の取り組みを地域に認知してもらうための活動も行っていく。
また、サービススタッフ以外にも、介護事業スタッフ、菜園スタッフなどを雇用しているが、定年後の活躍の場として、また副業や時短勤務でのライフバランス保持の場としても、スタッフと向き合いながら雇用を行っている。
以上のことを、重点的な取り組みとして宣言し、利用者からの理解を得ながら、目標達成に向け継続と改善を行っていくとしている。
持続可能な社会づくりに貢献するための取り組みを行う「奥州平泉温泉 そば庵 しづか亭」に注目していこう!
■奥州平泉温泉 そば庵しづか亭
住所:岩手県西磐井郡平泉町平泉長倉10-5
HP:https://shizukatei.com/
(yukari)