島村楽器と越境型クリエイティブ集団「Konel(コネル)」は、廃棄楽器をデジタルデバイスとして生まれ変わらせるアップサイクルプロジェクト「転生楽器」を始動。今までにない視点で楽器の機能や形状を再解釈し、廃楽器に道具として新たな役割を与え、これからの人と楽器の関係性を探求する。
楽器アップサイクルプロジェクト
島村楽器では「楽器アップサイクルプロジェクト」を実施してきた。
同プロジェクトは、修理不能となった楽器を回収し、提携団体にて加工、スタンドライトやウォールシェルフなどインテリア製品に再生するプロジェクトだ。楽器の新たなサステナビリティを切り拓く取り組みであるとともに、すべての利益は音楽教育活動支援に充てられ、楽器演奏の機会に恵まれない子どもたちへ届けられる。
「転生楽器」は、こうした背景や想いに共感した「Konel」や、プロデューサーやプロダクトデザイナー、アーティストである、ぺのてあ|中村優生氏が集い、開発に至ったという。
無料で楽器アップサイクルデジタルデバイスを製作
製品を紹介しよう。
こちらは、廃棄されるはずだったトランペットが、PC専用ショートカットキーボードに転生したアイテム。3つのピストンには好きなショートカットキーを割り当てられ、ピストンを押すだけでデータの保存やプリントアウト、スクリーンショットなどが実行できる。
音が鳴らなくなった楽器を捨ててしまうのではなく仕事の相棒として生まれ変わらせ、音楽を奏でるように働かせることができるのだ。
また現在、キャンペーンを開催中。発表記念として、2名限定で、使わなくなった廃楽器(トランペットのみ)から無料で楽器アップサイクルデジタルデバイスを製作してもらえる。希望者は、11月24日(金)までに応募フォームから応募してみよう。
プロジェクトチーム
「転生楽器」のプロジェクトチームを紹介しよう。
「Konel」は「妄想と具現」をテーマに、30職種を超えるクリエイター/アーティストが集まるコレクティブ。スキルの越境をカルチャーとし、ブランドデザイン・研究開発・アート制作を越境してプロジェクトを推進している。日本橋・金沢・下北沢・京都の拠点を中心に、多様な人種が混ざり合いながら、未来体験の実装を続けている。
ぺのてあ|中村優生氏は、発明家、デザイナー、作家。風景と音と道具を作って暮らしており、風景や音を想像し道具を作り現実にする試みを、テクノロジーや文化、物理現象、身体と仲良くなりながら探求している。
主な作品には、製品として手のゆらめきで演奏できるアコースティックシンセサイザー「ペノトロン」、生活の模型と鉄道の模型による楽器「電車と街の楽器」、様々な現象をもとに音を再生することのできる音の展示デバイス「Sea」などがある。
島村楽器は、今後も廃楽器を新たな道具へと転生させるプロダクト開発をつづけ、付加価値を生み出していくという。今後の展開にも注目だ。
「転生楽器」詳細:https://www.shimamura.co.jp/p/csr/upcycleproject/digital-device.html
転生楽器応募フォーム:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeEhW9nNzLtkz73qtybHJN6HQA4iWnxKhubdjuxdYYSun9v7A/viewform
(ソルトピーチ)