日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、栃木県旧岩舟町(栃木市)を写真とともに紹介する。
Vol.102/栃木県旧岩舟町(栃木市)
平成の大合併を経て、3200を越える日本の市町村は、1700ほどに減った。まちの名前が変わることに大きな影響を感じた人もいれば、そうではない人もいるだろう。その変遷の中で、2023年現在、最後に合併したまちが下都賀郡旧岩舟町だ。2014年4月に栃木市へ編入合併した。まだ、地名が変わって10年足らず。岩船山高勝寺や、みかも山公園を訪れる。
標高は約173メートルの岩船山。低山ではありながらも、南端に関東平野が広がるため、はっきりと岩船山を見上げることができた。岩肌がくっきりと姿を見せる地形には、まちのシンボルらしい佇まいがある。東西に通る大きな国道を進めば、市街地のまちなみを訪れることもないけれど、岩舟駅や支所の近くまで行ってみると、ここを中心とした暮らしがあったことが伝わってくる。いずれ、別の市町村が合併し、旧岩舟町が最後の合併のまちではなくなるかもしれないが、“岩舟”の地名が長く残って欲しいなと思う。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247/