日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、栃木県栃木市を写真とともに紹介する。
Vol.104/栃木県栃木市
旧大平町を抜けて、栃木市の市街地にやってきた。「太平山県立自然公園」は栃木市に含まれているので、旧大平町ではなく栃木市の散策として訪れる。山をのぼった先は関東平野が広がっていて、遮ることのない地平線をのぞむことができた。停めていた駐車場からさらに上り坂を歩き、息を切らして太平山神社に辿り着く。立派な社殿に参拝するとともに、社殿の前に置かれた御神石は撫で石として霊験を授かると言われているそうだ。
大平山県立自然公園を訪れたあと、蔵のまちなみを散策する。白壁もあるけれど、屋根も壁も黒く塗られたまちなみが渋くて個人的には好きだ。訪れたのはこどもの日が近い4月下旬だったので、水運のまちなみのシンボルである巴波川(うずまがわ)沿いに、鯉のぼりが飛んでいたのだった。
帰り際、駐車場のお母さんが岡山県から来たのかと声をかけてくれて、記念に「とちぎ秋まつり」の写真が印刷されたクリアファイルをもらった。とちぎ秋まつりは2年に一度、江戸型人形の山車がまちを練り歩くそうだ。まち一番の祭りであり、お母さんは祭りを毎回心から楽しみにしていると。豪華絢爛の山車の景色も、いつか見てみたい。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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