日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、栃木県旧今市市(日光市)を写真とともに紹介する。
Vol.107/栃木県旧今市市(日光市)
今まで日光市で訪れたことのある場所は、「日光東照宮」しかなかった。だから、日光のイメージもそれだった。けれど、かつては5つの旧市町村があって、東西南北とても広いのだ。その日光の玄関口が、旧今市市にあたる。日光市役所も、今市にあることを知った。日光街道と鬼怒川温泉や会津方面へつながる会津西街道が交差する、交通の要所でもある場所だ。
杉並木がずらりと並ぶ日光街道は、全長37キロもの道の両側に、1万本以上の杉並木が植えられている。世界一長い並木道であり、旧今市市に入った途端、道中の景色は一瞬で深い森を走っているような景色に変わった。まさに日光が待っていると教えてくれるような道だ。
市街地には報徳二宮神社があった。二宮尊徳は全国各地で触れる機会が多いけれど、神社に訪れたことで、尊徳が今市の地で最期を迎えたことを知った。翌日には真岡市の旧二宮町にある、二宮尊徳資料館を訪れて、尊徳の生涯について触れることもできた。偉大な人物は、様々な地で人々と向き合い、人生を捧げているのだなあと。そして、それぞれの場所で今もなお、尊徳はリスペクトされているのだなあということを、思いながら。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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