福岡県直方市にある悠友は、障がいがある人のデザインを元に一流の陶芸家に陶器鉢の制作を依頼して唯一無二の鉢を作るブランド「無為」を立ち上げ、CAMPFIREにてクラウドファンディングに挑戦している。
障がい者にやりがいや生き甲斐を
悠友は、福岡県直方市で、障がい者のグループホームや生活介護、就労継続支援B型、相談支援事業を手掛けている。
自立度の高い障がい者は、同社が運営する「久遠チョコレート直方店」で就労している。同店では、福岡県の平均工賃をはるかに上回る月額77,136円の実績を持っており、なかには月額158,000円以上を稼ぐ人もいるという(福岡県の平均工賃月額13,673円/厚生労働省データより)。
一方で、就労継続支援B型である「悠友ワーク」で働いている障がい者は主に身体に障がいがあり、車椅子を使用していて半身麻痺の人が多いことから、片手でできる仕事を座った状態で行っている。できる仕事が限られ、片手で仕事をするため、工賃は月額5,555円と低くなっている。
そこで、身体に障がいがあってもクリエイティブな仕事に関わることでやりがいや生き甲斐をもってもらい、高い工賃を得られるようにするために陶器事業をスタートすることに。代表の川口奈緒子氏が陶器や植物が好きで、窯元の知人の協力が得られることから、障がいがある人がデザインした陶器を制作しECサイトで販売する陶器ブランド「無為」を立ち上げることとなった。
障がい者を“挑戦する人”へ
「無為」とは“あるがままに”という意味で、障がいのあるなしに関わらず、すべての人があるがままに生きられる世界を願って名づけられた。「悠友ワーク」で働くひとたちの工賃をまずは50,000円に上げることを目指している。
『障がいのある人がデザインした唯一無二の鉢を販売したい』『障がいのある人の工賃をあげたい』という目標に向かって、まずはクラウドファンディングに挑戦中だ。
クラウドファンディング挑戦の目的は、一過性の売り上げではなく、「無為」を知ってもらい、ファンクラブのような温かいコミュニティを作ること。『誰もがあるがままに生きられる世の中に。』というミッションを掲げている。
歴史のある窯元と障がいのある人が共創
クラウドファンディングのリターンには、植物のための陶器鉢も用意。観葉植物や苔、塊根植物など、どんな植物でも合うデザインで、室内に飾ることができる。
デザインは「悠友ワーク」の上田淳志氏と、
松塚遥生氏が担当し、
上野焼宗家「渡窯、」十二代・渡仁氏の協力を得て制作している。
また、コミュニティを作ることを念頭におき、希望者全員へのリターンとしてNFTを用意した。
このほか、大分県日田市の小鹿田焼陶工の黒木窯七代目・黒木昌伸氏にオリジナル陶器鉢を依頼し、小鹿田焼らしからぬ色とデザインの鉢も完成したという。
現在、同社デザイナーとして障がいのある人が4名所属しているが、今後はさらに増える予定。近いうちに植物の管理も彼らが担い、植栽してECサイトを確認して商品を発送することも目標に掲げている。
障がいをもつ人の生き甲斐や想いを具現化する陶器ブランド「無為」を応援してみては。
CAMPFIRE:https://camp-fire.jp
プロジェクト名:障がいをもつ人×420年続く窯元が共創する陶器ブランド[無為]をつくりたい!
(山本えり)