創立100年を迎える、美術書や芸術書の出版を手掛ける求龍堂は、73年ぶりに復刊・日本初出版したアート絵本『夜と猫』の刊行記念トークショーを、人気絵本専門店「ブックハウスカフェ」で12月19日(火)に開催する。
定員は先着50名、オンライン参加100名で、参加費はワインまたは紅茶1杯付で1,500円だ。
猫を愛する2人のアーティストによる名著『夜と猫』
『夜と猫』は、中学生高学年~大人を対象としたアート絵本。「夜が訪れ、猫はふわりと現れる」という帯コメントをまとい誕生し、たちまち重版された、エリザベス・コーツワースさんの詩と藤田嗣治さんの挿絵が織りなす名著だ。
コーツワースさんは、詩人・児童文学者。1893年にアメリカで生まれ、大学卒業後、日本をはじめアジアへの旅行の経験に影響を受け、1930年に『極楽にいった猫 The Cat Who Went to Heaven』を発表し、1931年に最古の児童文学賞ニューベリー賞を受賞した。詩作とともに数多くの児童文学作品を生みだし、1986年、93歳で生涯を閉じた。
藤田さんは、1886年に東京で生まれ、1913年にフランスへ渡り、ピカソらとも交流があったという画家。油彩ながら日本画のような繊細な線描を取り入れた。1949年、アメリカ経由でフランスへ戻る前のNY滞在中、『夜と猫』のために挿絵を描いた。
訳者・矢内さんが『夜と猫』の魅力を語る
今回のトークショーには、『夜と猫』の訳者で美術史家の矢内みどりさんが講演者として登場。矢内さんは、慶應義塾大学で美学美術史およびフランス文学を専攻し卒業、目黒区美術館で約30年間学芸員として、藤田さんをはじめ多くの展覧会を担当している。2015年には、『藤田嗣治とは誰か』を求龍堂より出版した。
トークショーでは、藤田さんが日本からNYへ脱出する前後のエピソードを紹介。脱出を助けた知人へあてた美しくユーモアあふれた絵手紙についてなどを、資料とともに話す。
また、コーツワースさんの日本への旅や、日本と猫にまつわる物語でニューベリー賞を受賞したコーツワースさんの日本への思いなども語る。
さらに、自身も猫を愛する矢内さんが、『夜と猫』の翻訳を手掛けたことで発見した同書の詩と絵の魅力についても語る予定となっている。
『夜と猫』の編集者は、「コーツワースと藤田、ともに猫を愛する2人のアーティストが本書に込めたメッセージは73年を経ても全く色あせず、日々の疲れをゆっくりと癒やしてくれます。年末が近づく忙しない時期ですが、おいしいワイン(身体に優しいオーガニックです)を片手に(or温かい紅茶)猫とアートのお話を楽しむ夜、ぜひご参加ください!(一部抜粋)」とコメントしている。
トークショーを通して、コーツワースさんの詩と藤田さんの絵、そして猫たちが生みだしたクリエイティブの結晶の素晴らしさを感じてみては。
■トークショー概要
日時:12月19日(火)18:00~約90分(開場は17:45)
会場:ブックハウスカフェ 2F ひふみ
住所:東京都千代田区神田神保町2-5 北沢ビル
定員:先着50名/オンライン参加100名
参加費:1,500円(ワインまたは紅茶1杯付)
URL:https://bookhousecafe.jp/event/content/1232
■『夜と猫』
シリーズ:アート絵本
対象:中学生高学年~大人
発売日:10月17日(火)
定価:3,080円(税込)
発行:求龍堂
(Higuchi)