日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、栃木県宇都宮市を写真とともに紹介する。
Vol.125/栃木県宇都宮市
栃木県の県庁所在地である宇都宮市。前回の旅では大谷資料館を訪れた。大谷石の採掘による巨大な地下空間がライトアップされた光に照らされ、幻想的かつ圧巻だ。宇都宮二荒山神社に訪れたこともある。市街地の中心に位置し、長い石段をのぼると心が穏やかに鎮まっていく。
だから、今回はそれらとは違う場所に行こうと思って、シンプルだけれど宇都宮城址公園と、八幡山公園に行くことにした。宇都宮市における、主要な観光スポットのひとつでもあると思う。
宇都宮城址公園では、観光客があちこちで写真を撮っていて、ぼくも写真撮影を頼まれたりした。ちょうどイベントの撤収作業をしていたので、日によってはここで楽しいイベントと出会えるのかもしれない。
八幡山公園は観光客だけではなく、子どもが楽しめる遊具もたくさんあるようで、家族連れでも賑わっていた。そして、“アドベンチャーブリッジ”と呼ばれる青色の長い橋を渡り、宇都宮市街地を一望する。住宅地が地平線まで続いていて、おお、これが宇都宮かあ、なんて思ったり。
何より、八幡山公園には宇都宮タワーがある。宇都宮のシンボルとも呼べるタワーだ。タワーそのものの高さは89メートルだが、小高い山の上にあるため、平地からの高さは247メールになる。近づくほど高くそび上がっていて、赤い鮮やかな鉄塔が美しかった。
宇都宮は美味しい食事もあるし、カブでの移動もしやすくて、居心地のいい場所だなあと、穏やかな気持ちになった時間であった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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