岩崎電気は、モバイル向け充電サービス「スグジュー/SUGUJU」を開発し、実用化に向けて東京都世田谷区と実証実験に関する連携協定を締結した。2023年12月20日(水)~3月19日(火)の間、区内2か所の施設に「無料充電スポット」を設置し、実証実験を行っている。
15秒の動画広告を見ると15分無料で充電できる
「スグジュー」は、岩崎電気が、新規事業領域の拡大、社会への新たな価値提供の実現に向けて新開発した、モバイル向け充電サービス。無料で充電したい「利用者」、空きスペースを有効活用したい「施設管理者」、効果的に広告を出したい「広告主」をシームレスにつなぐことを実現するサービス提案だ。
「スグジュー」は、IoT機器をリアルタイムに無線で制御可能な基盤技術「NetSWITCH」と、クラウドで電源制御をつなぐクラウド型統合システム「Link-SP」の基盤技術を組み合わせて開発。手軽に短時間でモバイル端末のより多くの容量を充電できるよう、充電ステーションには急速充電器と充電ケーブルを搭載している。
利用者は、スマートフォンなどの充電したいモバイル端末でQRコードを読み取り、アクセスした15秒の動画広告を視聴することで、15分間無料で充電可能。1回の利用時間設定は15分だが、動画広告を再び視聴することにより充電時間を延長できる。
世田谷区内2か所に「無料充電スポット」を設置
今回は、北沢タウンホール(北沢総合支所)1階ロビーと、烏山区民センター1階ホワイエに「無料充電スポット」を設置し、施設利用者の利便性の向上と地域経済の活性化を図る実証実験を実施。岩崎電気の商品の広告を試験的に配信する。
施設利用者に実際に「スグジュー」を利用してもらい、サービスの課題を明確にし、提供体制を整えることを目指すとともに、「Link-SP」を活用したさらなる公共サービスの充実を目指して官民連携を強化していく方針だという。
さらに、BCP対策として災害時の電源無償解放制御や岩崎電気のEV車リユースバッテリーを付加することでの停電時対策、屋内だけでなく屋外利用も可能な幅広い利用シーンを想定している。
「スグジュー」の主な仕組みと今後の展開
「スグジュー」を使用する充電ステーション設置費用や電気料金、保守メンテンナンス費用は、動画広告の広告料金から負担する仕組み。施設管理者は空きスペースの施設貸付料金収入を得ることができ、メンテナンス費用の負担は一切不要だ。
また、「スグジュー」は、動画広告を施設内で活用することで、施設利用者に合わせた情報提供や広告の情報発信ステーションとなる。動画広告と広告主アカウントをリンクすることで、商品・サービスの購入、クーポン配信、地域情報やイベント情報の発信などさまざまな展開もできる。
基盤技術「Link-SP」の機能も拡張できるため、施設予約管理や課金・決済、電源制御、管理者への通知、機器状態監視、充電スポットマップ、空き情報などさまざまな機能を付加することが可能だ。
そして、公共施設だけでなく、商業施設や空港、飲食店、カフェ、コンビニエンスストアなど、すでに無料でコンセントサービスを展開している施設向けに「専用小型ユニット」も開発。コンセント接続するだけで簡単に「スグジュー」サービスの導入を可能にする。
岩崎電気は今後、業界を問わず幅広く多くのパートナー企業との連携により、新しいサービスの事業展開を推進していくとしている。
簡単にモバイルを無料充電できる「スグジュー」を実際に利用してみては。
■北沢タウンホール(北沢総合支所)
住所:東京都世田谷区北沢2-8-18
■烏山区民センター
住所:東京都世田谷区南烏山6-2-19
※「NetSWITCH®」は、NetCONNECT株式会社の登録商標です。
※「QRコード®」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
※「Link-SP」は特許出願中。
(Higuchi)