シャンティ国際ボランティア会が、日本にいながらできる国際協力「絵本を届ける運動」のこれまでのあゆみや活動の裏側、翻訳絵本を手にした子どもたちの声などをまとめた25周年特設サイトをオープンした。
1999年から始まった運動のあゆみ
シャンティは、厳しい環境で暮らす子どもたちにも、知らない世界を知るドキドキ、時間を忘れて夢中になる楽しさ、たくさんの物語や言葉を知る喜びに出会ってほしいと願い、1999年から絵本が不足している地域に日本から翻訳絵本を届ける「絵本を届ける運動」を実施。翻訳絵本を通して子どもたちは厳しい環境に立ち向かうための生きる力を身につけ、未来を切り拓く力を育んでいる。
今回オープンした25周年特設サイトでは、「絵本を届ける運動」が最初は「絵本1冊運動」だったことや、始まるまでの経緯、国内で少しずつ広がっていった参加者の輪、そして国内外でどのように取り組みが広がっていったのかなど、これまでのあゆみを時系列で紹介。
同運動でこれまで届けた絵本のタイトルは約300におよび、長年愛されている定番の絵本から、平和について考えられる本や数字などを学べる本までさまざまだ。
必要な絵本は、実施している活動内容や子どもたちの年齢、文化的背景などを鑑みて、海外事務所の現地職員や絵本の専門家らと検討し毎年選んでおり、特設サイトでは、子どもたちの笑顔とその先に広がる未来を想像しながら選ばれた絵本の一部も紹介されている。
活動への想いやコラム集も掲載
シャンティの活動地に絵本が届くまでには、絵本を選ぶ、翻訳絵本をつくる、つくった翻訳絵本を活動地に届ける前に最終確認する、絵本を運ぶなど、見えないところでさまざまな人が力を貸してくれている。
特設サイトには、活動の裏側にある想いや、積み重ねてきた試行錯誤が見えてくるコラム集も掲載されている。
その他、シャンティの活動地から届いた絵本を手にした子どもたちの声や、
「絵本を届ける運動」に協力している企業もチェックしてみよう。
制作セットに「参加のしおり」を追加
また「絵本を届ける運動」に申し込むと、絵本のほか、「翻訳シール」や「あいうえお表」など、必要なものがまとまった制作セットが手元に届くが、25周年に先駆けたリニューアルとして、この制作セットに「参加のしおり」を新たに追加。「参加のしおり」はつくり方だけでなく、絵本を届ける先の言葉と暮らしを学ぶことができる内容となっている。
世界にはあらゆる民族が生活し、それぞれの言語でコミュニケーションして文化を継承しているが、シャンティでは長年、目の前の人の尊厳と文化を大切にし、教育文化支援活動に取り組んできたことから、文化に色濃く関係する言語ごとに集約。「参加のしおり」では、言語ごとに歴史的背景や政治・経済、教育を取り巻く環境のほか、暮らしについての情報を知ることができ、共通点や違いを見つけながら、異文化理解が促進されることを目指している。
2024年度の受付は1月5日(金)にスタートし、参加費は1セット3,000円。今年は18,649冊の絵本を集める予定だ。
自宅や職場で、気軽に取り組める「絵本を届ける運動」に参加してみては。
「絵本を届ける運動」25周年特設サイト:https://sva.or.jp/ehon25th/
※制作キットで届く絵本は、申し込み内容や時期によって異なります。
(佐藤ゆり)