つくろい東京ファンドが2021年10月15日より運営開始した「せかいビバーク」の利用者が、のべ410件を突破。受け取りスポットも東京・埼玉で44カ所に拡大した。
「せかいビバーク」について
「せかいビバーク」とは、住まいを失い、今夜安心して過ごすことが出来なくなった人を市民の力で1泊宿泊・翌日支援を実現するプロジェクト。
都市内のさまざまな飲食店・書店・NPO・寺院などと協働し、1泊分の宿泊や食事・相談機関への移動を担保する「緊急お助けパック」を受付・提供する受け取りスポットとなってもらい、住まいを失った人が「緊急お助けパック」を受け取り、まずは1泊休んで翌日相談支援へつながることを可能にしている。
「せかいビバーク」の設立経緯と変遷
2020年4月7日の第1回緊急事態宣言時、ネットカフェへの休業要請が出されることにより、推計4000人ともいわれるネットカフェを居所としている人が追い出され、行き先をなくす可能性が出てきた。
こうした状況を解決するため、同団体は複数の支援団体・支援者と連携し、緊急相談フォームから来たSOSヘスタッフが駆けつけて相談支援を行う体制をスタート。2024年現在も継続し、のべ2000件以上の人へのアウトリーチを実現している。
一方で、経済の低迷から貧困が広がり、相談件数の増加は止まらず、同プロジェクトの支援が届かない人も相当数いるということが予想される。
ちょうど、活動を応援してくれている市民から「自分も困っている人を助けたいが方法はないか?」といった声が増えたこともあり、“市民の力で緊急宿泊支援を中心としたセーフティーネットが作れないだろうか?”という考えから、合同屋と協働し受付システムを開発。
漫画家の内田かずひろ氏にマスコットの「びばくん」をデザインしてもらい、2021年10月15日より受け取りスポット都内8カ所の期間限定プロジェクトとしてスタートした。
利用者増加に伴い受け取りスポットも拡大
その後、順調に利用者数と受け取りスポット数を増やし、2022年末に恒常的なプロジェクトとして運用。
2023年には、通信の貧困と緊急アウトリーチをミッションとする「特定非営利活動法人トイミッケ」との協働プロジェクトとし、2023年末現在まで利用者のべ410件・受け取りスポット44カ所(東京・埼玉)となった。
2024年も、引き続き市民の力で作るセーフティーネットを広げていく。
緊急的に住まいを失った人を市民の力で1泊宿泊・翌日支援を実現する「せかいビバーク」の取り組みを、チェックしてみては。
せかいビバーク公式サイト:https://sekaibivouac.jp/
(丸本チャ子)