日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、千葉県旭市を写真とともに紹介する。
Vol.162/千葉県旭市
前日、旭市の民宿に素泊まりで滞在した。宿に着いた1時間後から雨が本降りになったので、かろうじて雨に濡れずに済んだ。九十九里浜が目の前に広がり、絶えず波の音が聞こえてくる。民宿にはそれぞれの味があって、訪れるときにワクワクするなあと思う。お金が潤沢にある旅ではないので、とても高級な宿には泊まれないかもしれないけれど、民宿では宿の方とお話しできることも楽しい。とても明るいご主人で、心がパッと明るくなった。
そして、雨が降り続いた夜だったが、翌日の朝6時ごろには雨が上がり、7時に出発した。カブは屋根付きの駐車場に案内してくださって濡れなかったものの、ハンドルやミラーは潮風でベタベタしていた。さすが太平洋の海だ。風もビュンビュンと鳴っていたから。
そして、旭市役所や旭駅、『道の駅 季楽里あさひ』などの市街地を訪れた。それぞれコンパクトに密集しているまちだった。
駅から少し歩いたところには、旭銀座通り商店会が形成されている。やはり、全国どの場所を訪れても、「銀座」という名前の付いた通りや商店街はほんとうに多い。銀座という名前がつくと、そのまちにおける中心部だとスッと感じられるから不思議だ。
看板は昭和頃であろう渋い文字も多く、土地から声が聞こえてくるようであった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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