横浜市の取り組みに注目!金沢動物園にニホンライチョウが来園すること、繁殖センターで16年ぶりにマレーバクが誕生したことについて、それぞれ詳しく見ていこう。
横浜市立金沢動物園にニホンライチョウが来園
2月22日(木)に、金沢動物園へオス1羽、メス1羽のニホンライチョウが来園した。今回のニホンライチョウの来園は、日本動物園水族館協会が環境省と共同で行う第2期ライチョウ生息域外保全実施計画に基づき、同計画の体制強化と危険分散、普及啓発を目的としたもの。
横浜市立金沢動物園へ来園する2羽のニホンライチョウは、令和4年7月6日(水)に、いしかわ動物園で孵化した1歳のオスと、令和3年7月13日(火)に富山市ファミリーパークで孵化した2歳のメス。来園後、一定の検疫期間の後に展示に向けた練習を開始する。展示開始時期については、ホームページ、SNSなどでお知らせする。
金沢動物園では、平成27年からニホンライチョウに近縁のスバールバルライチョウの飼育を開始した。また、令和5年には環境省による希少種保全動植物園等に認定された。ニホンライチョウの展示に伴い、金沢動物園でのスバールバルライチョウの展示は2月18日(日)で終了する。
これまで、環境省と日本動物園水族館協会が協力してライチョウ生息域外保全実施計画を実施してきた。令和3年には第2期ライチョウ生息域外保全実施計画が策定され、令和4年に国内の動物園生まれの個体を生息地へ放鳥することに成功、令和5年には動物園からの野生復帰個体での繁殖が確認された。現在国内の7園館において、飼育・繁殖の知見の集積や野生復帰事業への協力が行われている。
ニホンライチョウの公開を心待ちにしてみて!
■横浜市立金沢動物園
住所:神奈川県横浜市金沢区釜利谷東5-15-1
横浜市立金沢動物園公式サイト:https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/kanazawa/
市繁殖センターで16年ぶりにマレーバクが誕生
横浜市繁殖センターでは、1月22日(月)に16年ぶりマレーバクが誕生した。生まれた子は雄で、愛称は「ナガ」。「ナガ」は「龍」を意味するインドネシア語(Naga)で、辰年生まれであることにちなんでいる。
誕生以降、厳しい寒さが続く中、子の体調を安定させるため室内で飼育し、さらに室内の暖房を強化するなどして、子が無事に成長できるよう見守ってきた。現在、誕生から2週間以上経過しているが、母子ともに健康。なお、誕生後の体色は親とは異なるが、約1年後には親と同じ白黒のツートンカラーになる。
横浜市立動物園では2022年以来、2年ぶりのマレーバク誕生で、横浜市繁殖センターとしては2008年以来16年ぶりのマレーバク誕生となる。
同センターは、希少動物の保全及び繁殖を通して生物多様性の保全に貢献。これまで、カンムリシロムクの野生復帰やカグーやミゾゴイ等の飼育下繁殖に成功してきた。また、国内の動物園としては初めての研究を目的とした実験設備を備え、希少野生動物の亜種判定や個体間あるいは種間の近縁関係、雌雄判別などに関する遺伝子解析や繁殖生理解明のための性ホルモン動態の解析など、「種の保存」に関わる研究を行っている。
さらに、横浜市立動物園の動物からの精子、卵子、組織の収集・凍結保存、人工授精等を試み、遺伝資源の保存にも取り組んでいる。
マレーバクの赤ちゃんの成長に注目してみては。
横浜市繁殖センターURL:https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/midori-koen/zoo_garden/hanshoku/
今後も、ニホンライチョウやマレーバクなど、希少な動物を飼育・公開する横浜市に注目だ。
(suzuki)