日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、千葉県成田市を写真とともに紹介する。
Vol.171/千葉県成田市
旧大栄町、旧下総町と合併した、成田市街地を訪れた。最初に訪れたのは「十余三 東雲の丘」という丘で、成田空港への飛行機の着陸を間近で見ることができる。階段を登り景色が開けると、思っていた以上に人がいて驚いた。そして、ほとんどの方々が大きなカメラを所持している。三脚のみならず、脚立やホームセンターの椅子、望遠鏡を持っていたり、さらには読書したりしている方もいた。生活の一部のようだった。やがて飛行機が近づくと、一斉にカメラを構える。夢中になれるものがあるっていいな、と。
昼食を済ませたあと、成田山新勝寺へ向かった。新勝寺へ訪れるのは、前回の旅に続いて2回目だ。日曜日の昼過ぎなので、とても賑わっていて、表参道沿いのお店の様子をチラッと見るだけでも楽しい。そして本堂はやはり、何度訪れても圧倒されるであろう立派な佇まいだった。堂内では大きなお経の声がこだましていた。
帰り際、ふと純喫茶に立ち寄った。久しぶりにポケットに忍ばせたままの本をひらく。旅をしていると読書する時間を案外取ることができず、そのことを仕方ないと思っていることも嫌だった。なので、純喫茶という雰囲気が旅の木漏れ日に感じられて、とても心地良かったのだった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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