日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、千葉県沼南町(柏市)を写真とともに紹介する。
Vol.175/千葉県沼南町(柏市)
2005年に柏市へ編入合併した、旧沼南町(しょうなんまち)を訪れた。現在は柏市という名前の響きだから、大きなまちであることをイメージしたけれど、手賀沼のほとりに位置する『道の駅 しょうなん』を訪れると、穏やかな景色が広がっていた。
また、沼と聞けば鬱蒼とした自然の姿を想像するかもしれないが、手賀沼は市街地からほど近く、景色の見通しも良い。沼の北側には我孫子市があり、沼の中央に架かる手賀大橋を通ればアクセスも良い。沼そのものは東西に細長く広がっており、一周すると約20km弱だという。皇居ランニングの一周が5kmであることを思えば、十分に大きな沼であることもわかるだろう。
そして、我孫子市と旧沼南町の地理関係を考えているときに、手賀沼の南岸に広がっているのが旧沼南町であり、「沼の南」であることが地名の語源だったのだなあと気付かされた。
手賀沼を散策したあと、大津ヶ丘の団地周辺を散策した。沼南支所やショッピングモールも近いので、生活の場所という感じがする。バスを待つサラリーマンや、公園の芝を刈る職員、流れている日常はいたって普通で、その普通が尊く感じられる。
団地にはマンションだけではなく、戸建の家も数多くあった。そこにひとりひとりの人生があることを想像すると、目が眩みそうになるのだった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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