日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、茨城県旧岩井市(坂東市)を写真とともに紹介する。
Vol.190/茨城県旧岩井市(坂東市)
市町村合併の変遷の中で、「町」から「市」へ移り変わることは多いけれど、「市」から「市」へ移り変わり、なおかつ市名も変わるというのケースが多いわけではない。
前回、市町村一周の旅をした際も、「岩井」という地名にはまったく気づかず、坂東市として訪れた。しかし、旧猿島町と合併して坂東市になったのは2005年のことであり、まだ20年も経っていない。土地はこうして変わっていくのだなあとつくづく思う。
さて、まずは市街地周辺を訪れた。坂東市役所の外観は複雑かつ凝っていて、とてもかっこいい。主要道路沿いもドラッグストアなどがあったりはするものの、多くは戸建ての住宅が建っていて、生活の音が聞こえてくる。透明な正方形が4つ集まった街灯もおそらくまちらしさを持つ街灯で、夜になればいつもの輝きがあるのだろう。
市街地を訪れたあと、茨城県自然博物館に入った。館内の雰囲気はおしゃれかつ、展示もパネルだけではなく、恐竜や大きな綿毛、眼で見て感じられるものも多い。宇宙、生命、動物、植物、地学…と、すべて分野の展示があるように感じられた。全然時間が足りないと思ったし、1日中滞在できた。そうした展示が都市部だけではなく、全国各地にあるということは、とても大切なことだと思う。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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