日本児童文学者協会と童心社は、4月1日(月)~6月30日(日)の期間、絵本コンクール「第17回 絵本テキスト大賞」への応募作品を募集している。
「絵本テキスト大賞」について
「絵本テキスト大賞」は、童心社と日本児童文学者協会が主催する新しい絵本作家の育成、新しい絵本の出版を目指すコンクール。2008年より15年以上にわたって開催されている、歴史あるコンクールだ。
多くの絵本コンクールと異なり、「絵本テキスト大賞」では、絵本テキスト(文章)のみを対象としている。もっと「物語の力」に満ちた絵本を、今までにない才能ある作家を世に送り出していきたい――という願いが込められた、特色ある絵本コンクールとなっている。
大賞に選ばれた絵本テキストは、著名な画家たちのすばらしい絵のついた絵本になる。
幼児・幼年向けの文章を募集、審査は現役絵本作家
「第17回 絵本テキスト大賞」では、子どものための絵本テキストを募集中。幼児(3~5歳)向けの「Aグレード」と、幼年(6~8歳)向けの「Bグレード」がある。
本を開いたとき左右のページを合わせて1見開きとし、「Aグレード」では11見開きの原稿を、「Bグレード」では15見開きの原稿を募集。対象の子どもたちの年齢を考えた字数・文章量にすること、展開を考えて場面割りをすることなどがポイントのようだ。
審査員は、内田麟太郎さん、加藤純子さん、浜田桂子さんといった著名な絵本作家と、童心社編集長の橋口英二郎さんが務める。
大賞受賞者には、10月中に選考委員会より知らせが届く。また、『日本児童文学』2024年11・12月号誌上にて発表し、日本児童文学者協会と童心社のホームページでも選考結果を公表する。
応募要項
応募資格は、プロ、アマ、国籍は問わず、15歳以上の人。締切日は、6月末日だ(消印有効)。
原稿用紙A4サイズに文章のみを書き、原稿5部と事務手数料として切手120円分を同封し、応募封筒にAかBかのグレードを朱記する。
原稿は右肩を綴じ、別紙1枚に筆名のほか本名・住所・年齢・職業・電話番号・メールアドレス、作品タイトル、また児童文学歴があれば書き添える。
「Aグレード」「Bグレード」それぞれ1編ずつまで応募可とし、自作の未発表作品に限る。商業出版を目的としない同人誌での発表は可とするが、その旨を記入しなければならない。
大賞作品は、童心社より単行本として刊行され、所定の印税が支払われる。なお、応募原稿は、いかなる場合にも返却されない。
「絵本テキスト大賞」受賞作紹介
第10回大賞受賞作は、『おきにいりのしろいドレスをきてレストランにいきました』渡辺朋 作/高畠那生 絵。
女の子がお気に入りの白いドレスを着てレストランに行くと、ドレスにケチャップが、ぽとっ……。「ががががーん」それを見たママは「げげげげーん!」ママを見たパパは「ぞぞぞぞーん!」。連鎖していく擬音が面白い、ナンセンス絵本だ。
第9回大賞受賞作は、『ちこくのりゆう』森くま堂 作/北村裕花 絵。先生、きいてえな。朝おきたら、とうちゃんとかあちゃんがカブトムシにかわっとったんや……。ちこくのりゆうを先生に説明する形ではじまる物語は、ページをめくるたび度肝をぬかれる抱腹絶倒の展開に。
このほか、『たかこ』清水真裕 文/青山友美 絵(第2回優秀賞受賞作)、
『かぶきやパン』かねまつすみれ 作/長野ヒデ子 絵(第7回大賞受賞作)や、
続編も刊行されている『まいごのモリーとわにのかばん』こまつのぶひさ 文/はたこうしろう 絵(第13回大賞受賞作)などがある。
ストーリーを考えて、「絵本テキスト大賞」に応募してみては。
第17回 絵本テキスト大賞 応募要項:https://www.doshinsha.co.jp/special/ehontext/oubo.html
(Higuchi)