日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、茨城県旧潮来町(潮来市)を写真とともに紹介する。
Vol.204/茨城県旧潮来町(潮来市)
「潮来」という地名を初めて見たとき、まったく読めなかった。「いたこ」と読むことを初めて知ったとき、衝撃だったのをよく覚えている。
とはいえ、きちんと潮来のことを知っている方々からすれば、水郷といえば潮来の名がすぐに浮かぶほど、水郷のまちとして有名である。霞ヶ浦から流れ出る常陸利根川の北東岸と、北浦へ通じる前川に沿うまちであり、干拓された水田も多く、平坦な地形が広がっている。
あやめ園を歩いていると、「本日の嫁入り舟」と書かれたボードがあり、11時、14時、19時30分と3組の名前が記されていた。舟に乗った花婿さんの姿が思い浮かんだし、19時30分からの時間帯は、いったいどんな雰囲気なのだろうとワクワクした。19時には日の入り時間を過ぎているので、ライトアップなのかな。
あやめも満開の様子で、散策していると心が明るくなる。梅雨の時期ではあるけれど、潮来にとっては賑わいの季節なんじゃないかなあ。そう思える祭りの気配だった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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